山本周五郎長篇小説全集 15 彦左衛門外記・花筵
山本周五郎長篇小説全集 15 彦左衛門外記・花筵 / 感想・レビュー
金吾
「彦左衛門外記」は他作品と比べコメディの要素が強く、著者自身が楽しんでいる感じがして読んでいて楽しくなりました。史実は無視しているように思いましたが、面白かったです。
2023/09/15
訪問者
「彦左衛門外記」はユーモア小説といった趣で、山本周五郎はこういったものもうまいが、やはり「花筵」が素晴らしい。
2017/06/08
プレミアムモルツ
「彦左衛門外記」 彦左衛門の道化ぶりが滑稽を通り越して哀れだ。史実と言われるもののいい加減さを痛烈に皮肉った作品。各々が語る軍功が、妄想に満ち満ちているのには笑った。 「花筵」 主人公お市の真の強さに心を打たれた。
2014/07/18
c
収録作の一つ、「彦左衛門外記」が大久保彦左衛門の伝説の虚構性を揶揄した作品ということなので、興味を惹かれて読んでみたのだが、これはちょっと凄いと思った。まず、実際には殆どそんな内容ではない。物語の主軸は毒にも薬にもならないサスペンスコメディである。彦左衛門に纏わる云々は後景でしかない。と言うか、彦左衛門がいてもいなくても話にほぼ関係がない。だから歴史的人物を引き出す必然性自体に乏しい。連載とは言え、恐らくまともに構成や展開も考えず、筆の走るまま書き散らした作品なのだろう。はっきり言って相当な失敗作である。
2018/07/06
沼田のに
滑稽痛快ものの長編って珍しい。自分の利益のために偽お墨付きをでっち上げたら嘘が一人歩きした話しだけど、昨日今日の大阪の森友学園と鴻池元大臣の話しみたい。「花筵」は前に殿様が弓矢の中に印の付いた優れた矢があるのに気付いて作った人を探し出してハッピーエンドの話を思い出した。どちらもハッピーエンドでよござんした。7/10
2017/03/04
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