筒井康隆全集 (5) アフリカの爆弾 アルファルファ作戦
筒井康隆全集 (5) アフリカの爆弾 アルファルファ作戦 / 感想・レビュー
きょちょ
短篇32作ほかエッセイ。 個人的見解だが、彼の短篇円熟期の一歩手前の作品群。 でも、「007入社す」「飛び猫」「池猫」「スペードの女王」「にぎやかな未来」「アフリカの爆弾」は今読んでも面白かった。 そして懐かしく感じた。 特に「腸はどこへいった」は、円熟期の作品群に匹敵するもので、「結末」・・・初めて読んだ時には本当にびっくりしたもんだ。 ★★★
2018/06/06
猫丸
昭和40年代はじめの短編&エッセイ。実は筒井初期長編は面白くないと思う。ギャグの連発で突っ走れる短編の方が好きだ。昔読んだときには笑いどころが不明であった箇所の意味がわかるようになっただけでも馬齢を重ねた甲斐があろうというもの。p.26「古い民謡にだって、マタ・ハリも死んだら神様よというのがあるではないか」などというボケが田舎の中学生に理解できるワケがない。以下推薦作。SF色の強いドタバタ「近所迷惑」。後年の「熊の木本線」的な不条理系囚われモノが「ヒストレスヴィラからの脱出」。虚構-現実融合系の「脱出」。
2020/12/11
隠者
今回はスパイ物が多め。内容は相変わらず現代にも通じる内容なのは筒井康隆が天才で先見の明があったのか日本が全くと言っていいほど成長してないのか。エッセイのデザイナーの話を見るにバブルの頃って若者が無鉄砲と言うか好きなことを好きなようにというのがわかるというか。そういう感じでやると次の世代のために、なんて意識が薄いのもわかるような。それでも取材先はかなり上の方の面倒見のいい学校だったようだけどそれだけ食い物にされたということでもありある程度苦労って大事だなって。
2024/10/18
渡邊利道
ドタバタ短編がいっぱい。「アフリカの爆弾」はもうほんとうに洗練されている。ごく普通の風俗的なモノ・感覚とSFのガジェット・感覚をミックスさせた世界が意外に古びていない。「池猫」「飛び猫」「旅」あたりは実は本当に好き。SFから一般紙へという背景がわかるエッセイ付き。
2017/05/11
安藤スミス
短編オンリー。スパイものが多かった。まさか半世紀近く前に執筆されたとは思えないほど現実を言い当てているのはすごいとしか言いようがない。でも逆に考えたらそれってつまり半世紀近く我々は進歩してないのかもしれない。
2012/12/05
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