筒井康隆全集〈11〉乱調文学大辞典.家族八景
筒井康隆全集〈11〉乱調文学大辞典.家族八景 / 感想・レビュー
きょちょ
今更再読する必要がないほど詳細に内容を覚えている「家族八景」。ところが「無風地帯」より「澱の呪縛」が先に来ると思っていた。さらに「青春讃歌」は後半だったと思っていた。さすがに40年ぶりの再読、記憶はあいまいだった。それにしても初めて読んだ時はかなり衝撃を受けた作品。久しぶりに読んだ今回は、「紅蓮菩薩」の根岸夫人の生き方がとても哀しかった。明るい話が一つもなくて直木賞受賞に至らなかったが、家族・人間の在り様を考えさせる名作である。短編では、「郵性省」は、当時も今も笑ってしまう。家族八景だけなら★5。★★★★
2020/04/11
たなしん
やっぱりこの全集は解説が凄い! どこまで書いてもうそ臭くなるんだけどどこまで書けばええのん? って疑問に対してどっちかというと「わざとらしさ」の側からアプローチしてるのが筒井康隆と思われててこれは『乱調文学大辞典』そして『虚人たち』が代表しているんだけど、日本文学にはもうひとつ徹底して「まことしやか」に書くというのがあり実は『家族八景』はそっちの方向に思いっきり傾いてるんだよ、という。だって(心の中身)も全部「読める(書ける)」ものとして書いちゃうじゃん、という。ちょっと感動した。
2012/08/17
okawari
七瀬シリーズの家族八景目当てに借りる。短編では『新宿コンフィデンシャル』『将軍が目覚めた時』がお気に入り。家族八景は最後がゾクッとした。
2014/11/22
wasabi
葦原将軍について書かれた「将軍が目覚めた時」を読みたくて。あいつもキチガイこいつもキチガイもちろん僕もキチガイ。みんなキチガイでみんないい。
2013/03/31
hirayama46
再読ー。うーん、やっぱり筒井康隆のエッセイはあまり好きになれないな……。合わないのでしょうね。エッセイの分量が多い巻はちとつらいです。連作短編『家族八景』は七瀬シリーズの一作目で、前半は物足りないかな、という感じもありましたが、後半は短いなかに妄念を凝縮していて良かったです。
2015/10/20
感想・レビューをもっと見る