井伏鱒二自選全集 第2巻
井伏鱒二自選全集 第2巻 / 感想・レビュー
AR読書記録
歴史物中心。『さざなみ軍記』。都落ちしていく平家の若い公達の日記。すでにその経過を、結果を知っているだけに切ない。夜、陣所で巻物の兵書を読む様子。海戦後、落ちていく兵船上で互いの消息を呼ばわる様子。実際そのような記録が残っているのかどうか知らないけれども、こういう細部の迫真性がとても印象に残る。これは何度でも読みたい。『二つの話』。仲良くなった疎開中の児童に、彼らが登場するお話を書いてあげると約束するが... リアリティ追求のあまり児童の行方はなんとやら、著者が歴史の間隙にはまり込んでしまう。面白いぞ。
2016/04/14
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