井伏鱒二自選全集 第5巻
井伏鱒二自選全集 第5巻 / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
読んだと言っても『駅前旅館』のみ読む。この『井伏鱒二自選全集』は旧仮名遣いで活版印刷。ページを触ると押された活字の手触りがあって懐かしく思った。『駅前旅館』は戦後の旅館絡みの風俗を描いたユーモア小説。主人公の一人語り。昔の大家が書くユーモアというのは何とも言えず上品。やたら「笑わせよう笑わせよう」みたいな感じは無く、ガツガツしていない。ゲラゲラ笑う感じではなく、静かに読んでも「確かに面白かった」という不思議な読後感である。昔のユーモア小説をもっと読み進めたいと思う。古びない笑いを知りたい。
2015/02/07
AR読書記録
「駅前旅館」は映画化もされてるのか。これは風俗小説とみるか、記録文学とみるか、人情噺的に読むか、いろいろ迷うなぁ。ともあれ、井伏鱒二は旅する作家であり、でもその旅は遠くへではなく、ちょっと足を伸ばしたところ(実際の距離の問題でなくな)へであり、そこにある、ほうっておくと埋もれていく些末な(と思われていそうな)事柄をちょいと拾い上げて去っていく、そんな印象。なんつうかな、癖になるな。
2016/08/02
ミジェル
駅前旅館が読みたくて、書庫から出していただいた。時間がある時に再読したい。
2013/04/07
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