福永武彦全集 (第13巻) 詩
福永武彦全集 (第13巻) 詩 / 感想・レビュー
渡邊利道
詩集と訳詩集。ほとんどすべての作品を収録しているらしい。叙情詩からはじまり、フランス象徴詩の研究を通じてファンタジーに近づいていく過程がよくわかる。結果、詩ではなく小説家として立つことになるのは時代性の故もあるか、そもそも小説的な資質が勝っていたのか。ちょっと小説のほうもじっくり読み直してみたいと思ってしまった。詩では「高みからの眺め」が素晴らしい(ちょっと小説集『塔」を想起させる)。訳詩ではなによりマラルメとロートレアモンが読ませる。
2017/03/23
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