隆慶一郎全集第七巻 かくれさと苦界行 (第4回/全19巻)
隆慶一郎全集第七巻 かくれさと苦界行 (第4回/全19巻) / 感想・レビュー
キムチ
女だてら、小さい頃から剣豪モノが好きだった。多分に父の影響だが。 懐かしくて手に取った訳とはいえ、総毛立つ面白さ! ボリュームあったが時間を見つけて文字を、誠一郎、幻斎、又右衛門、うら柳生を追い続ける羽目に。脳裏は徳川初期と柳生一族、隠れ里の世界だ。 やたら出てくる隆先生の講釈が興味の裏打ち 結構楽しめる。メイン舞台時の誠一郎は32歳、おしゃぶ15歳、何と幻斎88歳。傀儡の世界とはいえ、完璧に幻想の世界。 義仙が修行一筋に戻る心境、幻斎と又右衛門の死闘と新たな命を見つめる誠一郎の心情が読後の充実に連なる。
2013/10/20
タカラ~ム
デビュー作「吉原御免状」の続編にあたる作品。吉原の惣名主となった松永誠一郎と裏柳生総帥の柳生義仙との息詰まる攻防。そして、「神君御免状」をめぐって繰り広げられる様々な暗躍。果たして、すべての争いに決着はつくのか。なにより、荒木又右衛門の強烈なキャラクターに驚愕の1冊
2016/05/17
まめはち
私の想像力が欠如しているために、戦いの場面を頭に思い描くことが難しかったですが、誠一郎が吉原総名主として成長していく過程を堪能しました。幻斎、又右衛門みたいな剣の達人かつ良い人が合い討ちで死んでしまうのは悲しいけれど、こういう生きざま(死にざま)もあるのかな…。お小夜が封じ目に書いた「五大力」からその身元(大坂新町)がばれる件は江戸時代のトリビアネタで目からうろこもの。 同時収録の『張りの吉原』。吉原の意地と張りを支えるものの正体を大阪新町の太夫が目の当たりにする短編。吉原の光と影が鮮やか。
2017/01/14
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