新潮世界文学 40 ロレンス 2
新潮世界文学 40 ロレンス 2 / 感想・レビュー
NAO
母親の溺愛・過干渉で育ったロレンスは『息子と恋人』で母親の過度な愛情が息子の性格だけでなく性生活をも歪めることを描いた。そうやって母との決別をしたロレンスは、本作『虹』で、三代の夫婦(恋人)を通して、理想的な男女の性のあり方を探っている。一代目のリディアは夫に冷たく二人の間に子供はない。リディアの連れ子アナは、夫をバカにして精神的に支配している。冷たいリディアと支配的なアナは、ロレンスの母親がモデルだろうか。アナの娘アーシュラは結婚に縛られない性の理想を追求しているが、後編に続くという感じで話は終わる。
2016/04/03
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