新潮世界文学 49 カミュ 2 カリギュラ・誤解・戒厳令・正義の人々・シーシュポスの神話・反抗的人間
新潮世界文学 49 カミュ 2 カリギュラ・誤解・戒厳令・正義の人々・シーシュポスの神話・反抗的人間 / 感想・レビュー
ドン•マルロー
反抗的人間のみ。カミュが唱えるところの「反抗」の概念について歴史や哲学、詩や小説等を引用しつつ消毒液の行き届いた、冷厳な文体でつづられる。「反抗」の形を提示するために、整然とした論理的記述ではなく、文学的レトリックを駆使して書こうとする辺りいかにもカミュらしいが、その行為自体がそもそも「反抗的」であると言えるのかもしれない。なるほど確かに、本書から受けるのは反抗の形というよりは、抽象化された反抗の波動のようなものである。それは音楽的でさえあるだろう。ー 真のダダイストは、ダダに反対するのだ。
2019/02/15
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