人間失格 2 (BUNCH COMICS)
人間失格 2 (BUNCH COMICS) / 感想・レビュー
Vakira
兎丸さんと太宰治、もう最高のジョイン。おお~兎丸さん本人が漫画に登場。主人公、大庭葉藏の手記を発見。兎丸さんが葉藏の手記を覗く感じで物語は始まる。1巻目は幼少期から鎌倉心中まで。ストーリーはほぼ原作通り。リアルに純文学漫画してます。兎丸さんの解釈による絵がまたいい。少説では描けなかった描写はきちんと挿入。もう感情が移入しちゃいます。絵があることで現実味が更に湧き原作を飛び越して芸術的感あります。2巻目は心中して生き残ってしまった葉藏の苦悩。静子と栞(子供の名は原作と違ってました)と出会い、漫画家となる。
2021/05/23
ヒロ@いつも心に太陽を!
いやもうなんていうか。現代におきかえて古屋さんが描くこの絵と原作の世界観が本当にぴったりだよね。その分、読んで受ける気持ちの悪さや葉蔵に対するイライラ感が半端ないよね。これ一応誉め言葉ね。なんで葉蔵が女にモテるのかさっぱりわからない。でも彼のような人を愛してしまう人は確かにいるし、実際の太宰も・・・。ううーん、なんかよくわからないけど、深い。学生時代に無理矢理読みきった原作ももう一度読み返してみようかと思えたけど、読みきる自信は・・・ないな。映画見てみるかな。あっちはだいぶ綺麗そうだ。
2012/07/07
ぐうぐう
ネット内に記されていた男の日記という体裁をとる古屋兎丸版の『人間失格』。しかしそれは、戦後間もなくに発表された小説を現代を舞台にして蘇らせるには、ネット内でないと生存できなかったからではなく、実はその逆で、現代においては、ある意味ネット世界のほうがリアルを感じさせる肌触りがあることを古屋兎丸が心得ているからだろう。実際、ネットから浸食してくる『人間失格』は、いかにも現代的な痛みを持って、読む者に迫ってくる。「そうか……今まで漠然と怖れていた『世間』というのは……個人のことなんだ」。
2010/02/28
十六夜(いざよい)
アゲハとの心中に失敗し、ひとり、生へと取り残された葉蔵は、送られた留置所の中で、彼女への償いを生きる糧にしていこうと決心する。そして釈放、居候生活。平穏な生活を取り戻したかのように見えたその裏には、葉蔵を再び絶望の闇へと落とし込む事実が隠されていた。うわべだけの無気力な人生。つかむ場所のない深い暗闇の波間で、葉蔵がようやく掴んだもの......それは「女」だった。世紀を超える希代の問題作、続刊登場!!
2016/09/13
てんてん(^^)/
今まで愛しいと思っていたものが突然恐ろしいものに変貌し、美しい花も裏側から見たらおぞましい真実が。。。ああ、この人は絵の持つ効果というものを知り尽くしている。そして、人間の絶望と虚無をも。太宰治のコミカライズにこれほど適した人もいないだろう。 葉蔵の内側に潜む暗黒をどこまで表現できるのか、3巻が楽しみ。
2010/02/14
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