父の詫び状 (新潮CD)
父の詫び状 (新潮CD) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
またまた朗読CDで恐縮である。表題作をはじめ、親子や家族にまつわる3つのエッセイを名優・渡辺美佐子が朗読したもの。向田邦子を「登場した時から名人」と讃えたのは山本夏彦だが、聴いているとまさにそう思う。3つとも飽きずに聞かせる。気を逸らさないのである。最後に渡辺と向田の対談も収録されているが、そこで渡辺が言っていた「向田さんの本を読むと自分もいろいろ思い出してなかなか読み進めない」というノスタルジーを喚起する部分が、朗読は問答無用に次の話題へ誘う。これを繰り返し聞けば骨法が身に沁み、名文家になれると思う。
2019/07/29
白いカラス
脚本家の向田さんの作品だけあって、このようにCDで聴くのもいいですね。作品自体はまさに昭和ですね。湯たんぽの話や玄関の靴を揃えるなど昭和の風景を思い出しますね。
2024/08/05
のほほんなかえるさん
まさか対談までついているとは思わなんだ。今は亡き人ともこうしてまた逢えたりするのか。エッセイ本を読むというのはそういう側面があるのかもしれない。朗読もよい。
2015/07/08
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