高野聖 (新潮CD)
高野聖 (新潮CD) / 感想・レビュー
santana01
幻想文学の名作とされる本作。平安以来の幽霊譚、怪奇譚の系列に連なる物語の方がより相応しい。山奥、旅僧といかにもそれらしい人物や場所が設定され、わざわざ参謀本部編纂の地図などを持ち出して現実性の補強がなされている。その独特な文体は翻訳不可能な言語であり、川での僧と女の様子など妖しく、艶やかな雰囲気が横溢している。最期に爺さんによって種明かしがなされるのであるが、果たして真実が語られたのかどうか、信じるも信じないも読者次第ということになる。気持よく化かされるに若くはない、そんな思いにさせられた。
2013/02/17
いつとも
泉鏡花記念館記念に。本はもう持っているんですが、幻想文学の大家に敬意を払って購入。あの時代にこれが書けたというのが凄い。
2012/04/30
のり
名作ものはとにかく使ってる言葉が古すぎて難解なのでいつも途中で挫折してしまう。なので今回は趣向を変えて朗読CDを聞いてみる事にした。佐藤慶さんの語り口がじつに軽妙で途中わからない言葉が出てきても雰囲気で理解することが出来た。山奥で暮らす妖しい美女とそこに迷い込んだ高野聖の話、恐ろし~い!という場面はないのだがじわっと背筋がゾッとします。面白いです。
2018/01/24
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