さびしい文学者の時代―「妄想病」対「躁鬱病」対談
さびしい文学者の時代―「妄想病」対「躁鬱病」対談 / 感想・レビュー
bittersweet symphony
1982年の対談、文庫化はこの09年版が最初なのだそう。妄想や躁鬱性質は表現者は少なからず持っているものではありますが、本書を読む感じでは北杜夫(1927-)さんのそれは結構重症のような感じですね。その北さんの鬱期の対談ということもあって埴谷雄高(1909-97)さんの饒舌ぶりが目立ちますが、後半に目立つサイエンス・フィクション的妄想などは個人的には感心するより懐かしさを感じさせるものですね。年齢が離れすぎているがための暗黙の力関係が感じられて読前の期待値より低調な印象が個人的にはありました。
2010/03/26
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