日々不穏
日々不穏 / 感想・レビュー
山田太郎
再読。20年前くらいに読んでると思うが、最後はこんなだったとはまるで覚えてなかった。親子仲悪いのはなんか覚えてた。大学の日本文学の授業で教授が作品毎に文体変えられるのは、筒井康隆だけと言ってたこと思い出した。
2014/04/01
えか
時は昭和59年から62年まで、筒井康隆が『虚航船団』『旅のラゴス』『夢の木坂分岐点』『ベティ・ブープ伝』『文学部唯野教授』『歌と饒舌の戦記』『驚愕の曠野』と、いった傑作群を続々と発表。更に、歌舞伎を書き起こした『影武者騒動』自作劇の『スタア』『ジャズ大名』の上演に自身の出演。劇中歌の作曲にクラリネットによる演奏。それらの作品の映画化。はたまた、当時出始めたカセット小説の自身による吹き込みに筒井康隆全集の完結その合間の「いいとも」に出演、と、正に脂の乗り切った時期の日記である。
2024/10/27
渡邊利道
昭和59年11月から翌7月まで、61年から翌6月までの日記。前パートでは数々の私信が公開されているのが大変興味深い。旅のラゴス、夢の木坂、影武者騒動や、歌と饒舌の戦記、原始人、薬菜飯店、新日本探偵社、などなどの作品執筆の事情が垣間見える。「パプリカ」のアイディアがすでにあらわ低るのも驚き。ラストはとつぜん弟の死が語られてものすごく暗い雰囲気で終わる。リアルタイムでこれを読んだときはかなりショックだったと思い出した。
2017/10/13
yes5&3
人生で最も記憶に残っている時代'84年末から'87に氏もイベント満載。「笑犬楼よりの眺望」断筆へ続く。長編「夢の木坂分岐点」「旅のラゴス」、夢由来の作品「偏在」(エロチック・)、全集の校正、夢由来の「法子と雲界」「ヨッパ谷・」(薬菜飯店)、歌舞伎由来の作品群「破天荒・」「影武者騒動」もこの頃、多様な長編群「イリヤ・ムウロメツ」「歌と饒舌の戦記」「新日本探偵・」「驚愕のこう野」'87中央公論社。解説:高橋典子
2020/07/08
くじらい
『虚航船団』刊行直後〜『文学部唯野教授』第一回までの日記。もっとも脂が乗ってた時期だけあって、エッセイとして面白い。最後に訪れた唐突な弟の死には、フィクションでは描き出せないリアルがあった。
2015/12/28
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