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TUGUMI

TUGUMI

TUGUMI

作家
吉本ばなな
出版社
中央公論新社
発売日
1989-03-01
ISBN
9784120017759
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TUGUMI / 感想・レビュー

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nico🐬波待ち中

「この夏は楽しくて、一瞬だったような、すごく長かったような、不思議な気がする」そんな夏がかつてあった。強烈に心に刻まれる、忘れられない夏が。学校へ行ったり就職したり、結婚したり子供を産んだり。人は変化の激しい社会の只中で、前へ前へと進んでいく。それでもふと立ち止まり、秘かに心の奥の引き出しに留めておいたものをそっと取り出しては眺めたい時もある。人には言わないけれど独り微笑む、そんな一瞬が。ひと夏の恋はやはり切ない。けれど、渇いた心を潤すエッセンスは大人になればなるほど必要。あー、今年の夏がもう終わる。。

2019/08/22

おしゃべりメガネ

何度読んでも新鮮なキモチになれる素晴らしい作品。さすがに古くささは否めませんが、作品の醸し出す瑞々しさはやはり永遠です。母と二人、旅館の離れに住み、のんびりと暮らしている「まりあ」は旅館の娘姉妹と仲が良く、姉「陽子」はおとなしめですが、妹「つぐみ」がこれがまたなかなかのインパクトキャラです。カラダが絶望的に弱く、まともに暮らせないのに毒舌だけは一人前で、ことごとく周りを困らせます。そんなわがまま娘の彼女は一人の大学生「恭一」と運命的な出会いを果たし、少しずつ変わっていきます。またいつか時を経て再読します。

2024/03/30

Aya Murakami

地元の市立図書館の企画展示本。 ツグミちゃんは筋金入りの悪女ですね。悪女ながら悪女なりの美意識を持っているところがたいへんよかったです。どうせ悪いことをするなら最後まで貫きとおさなくては…。

2018/08/15

エドワード

まりあは海辺の街で育ち、両親と東京へ移り住む。まりあの叔母が嫁いだ山本屋旅館。つぐみは旅館の娘だ。身体が弱いのに、男みたいにしゃべる強烈なキャラクター、美少女だけによけい哀しい。浴衣のつぐみ、陽子、まりあの三人、自然に絵になる。この本を最初に読んだ頃、夏は毎年海水浴に行っていた。宿泊は○○荘か○○家。もちろん畳に布団だ。冷房がなくても夕方には海風が涼しかった。再読すると心に浮かぶあの頃の夏景色。まりあが山本屋で過ごす最後の夏。夏が終わっても人は生きていく。それが大人になるということなのかも知れない。

2017/07/11

催涙雨

帯には「2度とかえらない少女たちの輝かしい季節」とある。ああ、と思う。そういうものの言い方はずるい、と思う。この作品を読むと悲しいような辛いような、くすぐったいような、でも嬉しいような、そうやって心がチリチリする感覚をおぼえる。これはほんとうの意味合いでの、ごく個人的な範疇での郷愁に限りなく近い。こんな経験をしたことはわたしにはないが、自分の青い記憶と重なり合う部分を引き出させるような、肌で感じる距離の近さがこの作品にはあるのだ。誰にだって、2度とはかえらない輝かしい、かけがえのない季節はある。それは必ず

2019/03/24

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