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光る源氏の物語 上

光る源氏の物語 上

光る源氏の物語 上

作家
大野晋
丸谷才一
出版社
中央公論新社
発売日
1989-09-01
ISBN
9784120018497
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光る源氏の物語 上 / 感想・レビュー

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優希

『源氏物語』を語り合うのですが、マニアックで学術的な印象を受けました。物語の見方の深さを感じます。下巻も読みます。

2021/12/07

loanmeadime

引用した箇所を丸谷才一が現代語訳し、それを巡り大野晋と対談形式で評論を加えていきます。大野が提唱するa~dの系列を考慮した小説の構造の議論、「心ななり」という言葉の解釈や、主に丸谷による紫式部の小説家としての心理の分析などが述べられます。「命婦の君ぞ御直衣などは掻き集め持て来る」という記述が示す状況から空想される藤壺との「実事」とか、秋好中宮の名が匂わす清少納言との対立など、興味深い話題満載でした。上巻では「藤裏葉」までの33巻について、下巻では「若菜」以降、下の世代が中心となりそうですが、楽しみです。

2024/08/06

莉盆

まるでミステリーの謎解きのよう。 考えてみれば、『源氏物語』自体が、今とは言葉も文化も違う千年以上も前に書かれたわけだし、和歌を読み合い、そこに委ねられた相手の意図をおしはかったり、推察したりという謎解きそのもの。 その上、作者の紫式部は何もかも詳らかに綴っているわけではなく、曖昧。 原文の一部とその丸谷才一の現代語訳に続き、著者二人がそれぞれ内容について互いの意見を述べている。本書を読んで、なるほどそういうことだったのねというのは多く、わけても大野晋のいうa系、b系の考え方には見晴らしがよくなる思い。

2023/11/24

:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)

とってもイイ(⁎˃ᴗ˂⁎)全巻について原文抜粋・小説家訳→国語学者と二人であれこれ議論、感想交換。若紫は絶対読め、匂宮~竹河はこの本の要約で充分、式部はこの辺で十二指腸潰瘍になったはずだ、理由は…と自由な発言が楽しい。「かかやく日の宮」があるはずだがカットされ散逸した、谷崎源氏も不敬罪だとカットされた時期があったように。後人の補作で散逸したものがあるが、匂宮など三巻は残ったそれで式部作ではない、いや本人の気持ちの変化の跡で本人作だ云々。単語や助詞の質や数の分析も。研究・考察とはこうやるのだと手本になった。

2021/12/28

ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね

積むこと十年、ようやく時を得た。『輝く日の宮』のベースは、この対談にあったのだな。近代小説との比較論も面白かった。

2016/08/16

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