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日の名残り

日の名残り

日の名残り

作家
カズオ・イシグロ
Kazuo Ishiguro
土屋政雄
出版社
中央公論新社
発売日
1990-07-01
ISBN
9784120019470
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日の名残り / 感想・レビュー

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chimako

古き良き時代の英国。貴族の館の執事 スティーブンスの目線で語られる日々の仕事や国の情勢。そして、女中頭ミス・ケントンとの思い出。非公式の国際会議場となる御屋敷のホール。誰もが気持ち良く過ごせるよう細心の注意を払い会場を食事をお酒の場を提供する執事。主に仕えることを喜びとしながら生き甲斐を見出だし過ごした日々。思うことを直接言葉にするのははしたない。想いを伝えるのはもっと難しい。もう一度ミス・ケントンに会いに出掛ける所から物語は始まる。そして、彼は失恋をする。これは長い恋の終り。そう読んだ。

2017/10/11

どんぐり

英国の伝統ある「旧家」の老執事Mr.スティーブンスが、元女中頭だったミス・ケントンに会いにゆく6日間の小旅行と回想。映画では、アンソニー・ホプキンスが執事役を演じた。自分の職業に忠実で、最後の最後まで「品格のある執事」という鎧をまとい、自分の短所をさらけだしたり、感情のおもむくままに行動したりすることもない。自分の父親が死の床にあるときも、女中頭のミス・ケントンの涙を見せたときも、雇主の指示でユダヤ人女中2人を馘にするときも、外部の出来事には動じず、「品格のある執事」という職業的態度を貫く。人間的に見るな

2016/05/10

ゆかーん

読んでいる間、姿勢を正さずにはいられませんでした。英国紳士に仕える1人の執事の佇まいに感動しました。時代の変化を迎えつつある1930年代のイギリスでは、徐々に戦争のニオイが色濃くなりつつあります。逼迫した情勢が続きますが、執事のスティーブンは「品格」を保ち、ご主人により良いサービスを提供することを任務とするのです。私的な感情は一切受け付けず、威厳を極め続けた偉大なる執事の姿に、圧倒的な忠誠心を感じます。父の死や同僚の結婚にも一切動揺せず、規律を貫き続けた信念に、英国執事の究極のサービス精神を学びました。

2018/01/04

抹茶モナカ

静かな文体で紡がれるイギリスの執事の職業意識、密かな恋愛。執事としての矜持が凄い静かな文体で表現されていて、大人が好きそうな作品。老いて行く、ということも、テーマにあって、切なくもなる。でも、前向きにやって行きましょう、というのが結論な作品。

2015/03/08

アクビちゃん@新潮部😻

【図書館・G1000】読後感が、とても良いです。最初は、ウッ 苦手かも…と、身構えて読んでいたのですが、そんな事はなく読みやすかったです。日本人には馴染みのない、イギリス執事のお話しです。イギリスの歴史に詳しいと、より楽しめるのかもしれませんが、疎くても楽しめました。この読後感を上手く表現できない自分がもどかしい~!「人生楽しまなくちゃ。夕方が1日でいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、のんびりするのさ」日が暮れる前に、思いきり楽しましょうね♪きっと日本人も、この執事のように真面目すぎなんでしょうね。

2018/12/09

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