日日雑記
日日雑記 / 感想・レビュー
どんぐり
「ある日」。で始まる夫泰淳さんが亡くなったあとに書かれたエッセイ。Hとあるのは、娘さんの花さん。玉とあるのは、Hが拾ってきた猫。生活雑記なので、いろいろなことが書いてある。「ある日」にはこんなことが――「よちよち歩きの頃から、Hは床や地べたに落ちているものを、よく拾うたちであった。4つ5つの頃、『日劇夏の踊り』を観ている最中に、サッキ、コレ拾ッタヨ、としきりに訴えるので、道ばたのものなんぞ、やたら拾うんじゃない、とりつつとりあげると、私の財布だった」。そんな百合子さんが面白いくらいに現れる。
2017/06/19
アカツキ
1988年6月から1991年4月までマリ・クレール誌の連載をまとめた本。つい笑ってしまうようなところがあって面白かった。母娘の仲良しな会話が楽しい。真面目な泥棒がつきあっている女性に殺されるニュースは悲劇なんだけど喜劇の要素もあって記憶に残る。不意に「遊覧日記」の剥製屋さんの話題が出てきて嬉しくなる。こういう時、出版順に読んでよかったと思…ったけれど、お楽しみに取っておいた「富士日記」が控えているのだった。全然出版順じゃなかった。
2021/10/27
奥山 有為
1988-91年までの連載をまとめた「雑記」、文章を読んでもっと昔の話かなあと思っていたので驚いた。そういや「ブレードランナー」の話もあった。バブルの時代だっただろうけどそんな感じが全然しない。
2017/10/31
Kaopn
『富士日記』を先に読み出していたのにこちらを先に読み終わった。お友達にはなれないタイプの女性だけど、ちょっとしたエピソードをうまく読ませるな、と思った。佐渡にいた〝ソク〟という名前の犬を「日本の犬らしくて、いい名前だ」と書いていたのに、翌日そのソクちゃんの本名が〝ソクラテス〟だと判明するくだりなどはおもしろかった。
2015/08/31
優しい月
娘さんとの日々。89年ころの日記。この人の文章のテンポが好きだし、ちょっと憧れもある。『遊覧日記』も読みたい。
2013/07/26
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