悪党の裔
悪党の裔 / 感想・レビュー
TheWho
鎌倉末期の元弘の変から南北朝動乱期の悪党の中の悪党と呼ばれる太平記の梟雄である赤松円心の一代記。太平記の中楠木正成と赤松円心の二人が悪党の代表格であるが、後に忠臣と呼ばれた楠木正成とは違い、謀臣であり掴みどころがなく、正に悪党を体現している梟雄としての赤松円心を描写している。これで北方太平記は最後となるが、日本の転換期でかつ後の戦国時代に繋がる西欧のルネッサンスにも似た太平記時代を体現できた痛快な一冊です。
2014/12/06
パキ
あまり人気のない時代に活躍した人物を取り上げて物語を書いてくれてるのは、本当にありがたい。こんな人物もいたのかと知れたり、著者の作り出した人物像から考え方を得られたり。 ただ、「悪党」という言葉がやたらに出てきて、そこが気になった。もう少し重みのある言葉で使って欲しかったなあ。
2018/03/26
ナオデラ
赤松円心という悪党が主役に据えられているが、その息子や家臣、忍びが他勢力に近侍する事でそちらの思惑や行動の描写がしっかりとしている。大塔宮は一途に倒幕を目指すがその思いを父である帝に翻弄される、という悲劇的な役回りで心に残った。逆に円心は正成の籠城に負けまいと六波羅に絶望的な突撃をするシーンは熱いがそれ以外は煮え切らない感が強い(多分に年齢のせいかも知れないが)同じ悪党でも帝や皇子の為に戦い続ける正成とも違うタイプであり最後まで自分の為に生きる事を選んだ。自分的には余り感情移入は出来なかった。
2014/10/02
ちゃこ
【初出:「中央公論」1991年12月号〜1992年10月号】 嘉暦3年(1528)〜建武3年(1336)。西播磨の赤松円心[則村]を軸に、楠木正成,足利尊氏3人の(自称)悪党、大塔宮護良親王らの、鎌倉幕府倒幕と後醍醐天皇の親政の時代を描いている。 派手さはないがブレずに"悪党"としての生き方を貫きつつも足利幕府開府の陰の立役者となった赤松円心と、後醍醐帝に惹かれ燃えつきるような最期を遂げた楠木正成の対比も上手い。また、足利尊氏を含めた3人の交流(駆引き)が作品を面白くしている。 /[2014ー141]
2014/07/07
クー
赤松と尊氏、正成の話。後醍醐天皇や朝廷に腹が立つ
2024/08/26
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