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どくとるマンボウ医局記

どくとるマンボウ医局記

どくとるマンボウ医局記

作家
北杜夫
出版社
中央公論新社
発売日
1993-01-01
ISBN
9784120021848
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どくとるマンボウ医局記 / 感想・レビュー

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全縁

学校の図書館本。氏の精神科医時代の話が語られている。どくとるマンボウシリーズでは珍しく、当時の精神病者への偏見や精神病院の予算不足を嘆く場面などシリアスな場面も多々あるが、あくまでユーモラスな語り口によってそれが和らげられているように思う。山梨の精神病院の話や当時の慶応病院神経科の面々の変人ぶりなど、現在ではもうない(できない)であろう事も書かれていて、すごく時代が感じられる。面白かった。

2019/11/01

AICHAN

精神科医たちの実態を面白おかしく描写する中で、鬱病患者に関して「鬱病の特徴の一つとして罪業念慮というのが起こりがち…無力で駄目な自分の存在が家族や社会に迷惑をかけているという罪悪感…が高じるといっそ自分なんかこの世にいなくなったほうがいいと思いこみ自ら生命を絶つ」「素人はその辛さが分からないからむやみと励ますのもいけない。…などと言うことは鬱病者にとっては針の筵に坐られるように辛いことなのである」「英国などのように家庭医制度がもっと発達すべき」等、精神科医としてまともな意見、提言等が散りばめられている。

藤井宏

20数年ぶりに再読。面白いエピソード満載だが、患者さんの重症治療中に、別の一人の化粧の濃い女性(渾名はここには控えます;今はここまで書けないかも)が病院から脱走した時、オーベンのN先生が「逃せ」と叫んだシーンが一番おかしかった。ハチャメチャな医師のようでいて、若い入局3年目に、地方の予算の少ない病院で、患者がたくさんいるのに、有効な薬剤が使用できず、無力感にさいなまれる。出だしで描かれている精神科医局の雰囲気には、時代を感じる。

2017/07/15

sayanu

楽しく明るく医学生。精神医学って本当に発達したんだなあ、この先もどんどん変わるんだろうなあという面白さもあった。今読むと怖いことがたくさん書いてあるけれど、戦後前後の大学生の活気と知識欲はすごい。

2018/03/19

k_samukawa

【再読】実に十数年ぶりに読み返したが、北さんが文学者としても精神科医としても一流であったことを思い知らされる素晴らしい一冊だった。

2011/10/31

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