ひと恋しくて: 余白の多い住所録
ひと恋しくて: 余白の多い住所録 / 感想・レビュー
nonpono
久世光彦による縁のある人への紹介文のようなラブレターのような回顧録のようなエッセイ。伊集院静、「いろっぽい男である」、久世光彦という名を知ったのは、伊集院静の文庫本の解説だった。やけに美しい文で難しいことを語る人だなと認識した。なかにし礼、「あの頃の詩は色っぽかった。酒に溺れ、女に溺れ、夜毎ちがう女の胸の中でかいていた。女に刺されるユメにおびえながら書いていた」、糸井重里、「子供のくせにずいぶんら気のきいた警句を吐いたりするのでびっくりした」。何ともいえない文体、言葉の簡素さ、余韻があとを引く一冊。
2023/04/22
hf
2月か3月に映画見た帰りに吉祥寺バサラブックスで買ったので私にしてはさっさと読み終わった。この書物には2004年3月22日の朝日新聞夕刊の切り抜きが挟まっていた。自分の知らない人が出てきてよかった。山下武、小林亜星、山本夏彦、四谷シモン、島田清次郎、鴨下信一とかがおもしろかった。私は特に宮田吉雄について書かれた文章に強く惹かれる。
2020/04/27
櫻井
この人のような、やたらに感傷的な教養人がテレビを作っていた時代が少しうらやましい。感傷を言い表せない現象としてなおざりにせず、かと言って説明的すぎない、感覚を思い起こさせるための言葉をたくさん持っている。
2021/08/04
読書国の仮住まい
久世さんが会ったことのある、ないに関わらず想いを昂らせる人たちを取り上げる。 余白が多いというのは亡くなった人のことを言っているのだろう。 つまるところ、久世さんの公開ラブレターと思って間違いない。
2020/04/24
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