早く昔になればいい
早く昔になればいい / 感想・レビュー
林 一歩
淫靡でセンチメンタルで残酷な物語。私の貧相な想像力では狂女の儚い美しさを思い描けないのが残念。
2014/08/24
散歩いぬ
女としては到底承知できない残酷な話だが、当の狂女が明るいのが救い。四十年前から抱く恋情を身勝手なロマンチシズムで練り上げて「早く昔になればいい」と願う主人公。その思いの積み重ねは、読み進むに従い、腐る前の果実を食べたような旨味と痺れを伴う。 狂女しーちゃんの顔を明確に想像できる人はいるのだろうか。見えるのは翻る緋色の裳裾と真っ白なお尻ばかりである。
2012/03/20
pontering
”昔は、なんて居心地がいいのだろう。”
2024/04/21
ロビン
読んだのは20年前。同じ作者の「一三九四年冬―乱歩」を読んでど嵌まりし、続けて読んだ。最近、子どもの頃のトラウマドラマ「桜子が笑う」の演出が、久世光彦氏だったことをネットのお陰で知り、やはり昔からこの人の世界観が好きだったんだなあとつくづく再確認。 久しぶりに読み返しても、一つ一つの情景がぐっと堪えるほど美しい。ひたすら少年時代を懐古する主人公に、こっちが若くてピチピチしてた頃に読んでいたのと違い身につまされて、読み進めるのが少ししんどかったけれど 笑
2018/12/07
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