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見なれた町に風が吹く

見なれた町に風が吹く

見なれた町に風が吹く

作家
山田太一
出版社
中央公論新社
発売日
1997-06-01
ISBN
9784120026973
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見なれた町に風が吹く / 感想・レビュー

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アメフトファン

作者のドラマとか見たことないので、初めての山田太一ワールド。非常に独特な視点で日本を表したなという本作でした。37歳の商社で広報室長代行を務める女性が人生に潤いを求めて映画についての講義を受けますが、そこで60歳代の老人に映画を作る手伝いの依頼を受けます。気難しい老監督。かつての端役でスポンサーの老人。そしてそのスポンサーを主人公に映像を撮っていく。そんな平凡なのか非日常なよくわからない日々の中で人生の無常さと日本人の達観ぶりが見事に描かれたと思います。成熟した日本は再び輝けるのでしょうか?

2015/05/14

Yoko Oishi

山田太一の独特の会話テンポ健在。なんとなく満たされない人たちが傷を舐め合ってる感もいなめないかど、設定自体に一癖あったので展開がよめずラストまで一気に読めた。終わり方がなんか憎い。

2013/04/06

koji

身体を壊して出世コースを外れた37歳の香子が、暇潰しで受けた映画講座で出会った60代の男に誘われて、映画撮影の世界に足を踏み入れる。出てくる登場人物の大半が老人なのも風変わりだが、話の展開も風変わり。香子が映画撮影を通じて生きる活力を取り戻すというのがこの手の話に期待されるものだと思うが、途中からスポンサー兼売れない老役者の死相を通じて、活力を取り戻すなんて安っぽい嘘で減退こそを愛さないといけない、という話にシフトしていく。めちゃくちゃ出来の良い小説とは思わないけど、山田太一しか書けない小説だと思う。

2022/01/26

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