イスタンブールの闇
イスタンブールの闇 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
48才の陶芸家・熔子はトルコに住む姪・流美の結婚式に出席するためにイスタンブールを訪れる。だが流美は突然出奔。流美と関係があったハサンと名乗る男に出会った熔子。その男は20才の頃に愛した人だった。2人の狂おしい愛がイスタンブールと津和野を舞台に再び燃え上がる。過去を慈しみ過去に復讐するために昔の女を抱く男。対して女は。
1998/03/17
どありぶ
2つの軸を巡って話を進めていきたいみたいなんだけど、どっちつかずで微妙だった。私の大好きなイスタンブール、もっと丁寧に話を紡いでくれ、って感じ。
2013/05/23
エドワード
津和野の陶芸家千野熔子は、姪の結婚式のため訪れたイスタンブールで血の盛り上がったような赤色の陶片の魅力にとり憑かれる。今までに出会ったことのない赤。この古都は過去に熔子が男と出会い愛しあった地でもあった。その男・沖波残と再会し、陶片の赤に刺激されるように波残との愛にのめりこむ熔子。一方津和野では熔子の息子鮎が同じ赤の陶器を生みだす苦心を重ねていた。異国の地で生まれ変わったように生きる熔子。生きる歓びと陶器の赤色の魅力が輝く作品。
2012/01/06
ころにゃん
津和野の陶芸家・熔子がトルコの赤いイズニック・タイルの謎を追う。イスタンブール、イズニック、津和野に吹く風までも感じさせる旅情も、16世紀に消えたタイルの謎解きも、大人の恋愛も性愛も見事に絡み合っている。異邦人の感覚、生きている女の欲望や、血のつながり、二つの土地の違いと共通点が、迫力をもって迫ってくる。 p214 ここはもう、食べたい、欲しい、気持ち良い、苦しい、殺したい、愛したい、勝ちたい、泣きたい。こうした生な、原色の言葉を投げ出すことのできる土地ではないのだ。
2013/05/26
ひよこ
p111『悲しいときって、人間、ふてぶてしくたくましくなるものなんだわ』
2017/11/28
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