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本に読まれて

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作家
須賀敦子
出版社
中央公論新社
発売日
1998-09-01
ISBN
9784120028243
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本に読まれて / 感想・レビュー

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はたっぴ

週末に夫の両親が住む荻窪の古書店で発掘。「書評から」「好きな本たち」「読書日記」の三部構成からなり、気の赴くままに須賀さんの美文を楽しんだ。古典から現代文学まで、一体何冊の本に印をつけたことだろう?普段は忙しさにかまけて、小説も勢いで読んでしまいがちだが、須賀さんの深い思索に共鳴しながら、一語一語咀嚼しながら味わう。難しくて手が出せない作品でも「ここで出会えて良かった、確かに私はこの作品を知ったのだ」と思える満足感を持てた。全てを称賛するのではなく、ちょっぴり辛口なのがいい。早速1冊読んでみよう。

2016/05/25

Gotoran

須賀さんが読まれたたくさんの幅広い文学作品の書評と読書日記集。他のエッセイとは若干趣が異なる。作品をきちんと分析し、数々のエピソードや補足を加え、鮮やかにした上での纏め。仄かな熱意や佇まい、丁寧に織られていく言葉たち、観想と記憶が織りなす豊饒な読書の世界を巡ることができた。読んでみたい作品がまたもや増えてしまった。『山の音』(川端)、『シェリ』(コレット)、『富士日記』(武田)、池澤作品は是非とも。

2015/05/06

ココ

感性がすごい。品格を感じながらも、力強い文章に圧倒された。たとえば、ホラティウス『その日を摘め』の詩の感想として、「ああ、かなわない、と私は息がつまった。」。まさしく、私はこの本に息がつまった。須賀敦子さんの本は、読み続けていくだろう。

2015/10/29

レイエル

…須賀さんの文章 には 鳥肌が立つ。 須賀さんは 自分自身を活字にして 目に触れ 読む人に “自分の姿を生き返らせる”ことに成功した今の私が知る限り唯一の故人。 須賀さんの “圧倒的なエネルギー”と 表現したい気持ちを 言い換えるとそうなる。 読めばわかる一冊。

2011/10/26

amanon

こうやって、自分が読んだ本についての感想をネット上に書き連ねるという行為が、思わず両手で顔を被って恥じたくなるくらいの名文が連なる。それと伊文学といえば、ダンテとボッカチオくらいしか知らなかったのだけれど、それ以外にも伊には優れた文学者がいるということに少なからず驚きを覚えた。特に印象的だったのは、ヴェイユの『カイエ4』に寄せた文章。著者の世代がかつて熱き思いを持ってヴェイユの作品を読んだというエピソードには、こちらの気持ちまで熱くなるような気がした。とにかく宝石箱みたいに美しい書評集。

2011/09/18

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