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回送電車

回送電車

回送電車

作家
堀江敏幸
出版社
中央公論新社
発売日
2001-05-01
ISBN
9784120031458
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回送電車 / 感想・レビュー

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踊る猫

読み直す。やはりなんらかの作家について書かれたエッセイが鮮烈で、裏返せば日常の些事を描いた文章はさほどという印象を抱く。とはいえ出来映えにムラがあるというわけではなく、デーハーな出来のエッセイこそないものの確実にどんな題材もイチローのように一編の随筆にしてしまう。その手つきは見事。読みながら唸らされる。書評集や短編集を読み返したくさせられるエッセイ集だし、ことによると自分もこんなものが書けてしまうのではないか……とも思わされ、励まされる読書となった。『回送電車』シリーズ、第二巻も楽しみに読みたくさせられた

2019/08/20

踊る猫

流石の安定感を感じさせるエッセイ集。良く言えば生真面目で横綱相撲を見ているかのようなどっしりした一貫性があって、悪く言えば金太郎飴的でなにをどう書いても精彩を欠いた散文になってしまっているという……ただ、この著者はやはり他人の文学を語らせれば活き活きした魅力のある文章を書く。それを改めて確認した次第。だから読んでいて苦痛を感じなかったかと言えば嘘になるのだけれど、文学を語っているところを読むのは面白くて堀江敏幸の書評集をまた読み返したくなってしまった。もう少しすっとぼけたユーモアが欲しいところだが、難しい

2018/10/03

踊る猫

堀江敏幸という作家は――私の勝手な見立てにすぎないことを断りつつ書くのだけれど――どうも短文の切れ味のよさで読ませる作家ではないかと思う。長いものを書くとその論理は深く入りすぎてどこへ行こうとしているかわからなくなるきらいがあると思うのだ。その意味では短文を集積したこの散文/随筆は切れ味がよく、堀江初心者にももってこいなのではないか。明快な結論を求めて読むと空振りに終わるかもしれない。堀江の書くものは、その思考をこちらもなぞらせることで「自分が考えたかのように」読ませる快楽があるのではないか、と考えてみる

2021/11/02

いのふみ

どっちつかずでいることの、ネガティブではない意味での幸福。「いいこと言うなぁ」っていうのと「いい文章だなぁ」っていうのが両方ある。

2016/08/27

スプリント

あざやかな比喩表現が読んでいて心地よさを感じさせてくれるエッセイです。

2015/04/23

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