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バースデイ・ストーリーズ

バースデイ・ストーリーズ

バースデイ・ストーリーズ

作家
レイモンド・カーヴァー
ポール・セロー
ラッセル・バンクス
デニス・ジョンソン
ウィリアム・トレヴァー
ダニエル・ライオンズ
リンダ・セクソン
デイヴィッド・フォスター・ウォレス
イーサン・ケイニン
アンドレア・リー
村上春樹
出版社
中央公論新社
発売日
2002-12-07
ISBN
9784120033414
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バースデイ・ストーリーズ / 感想・レビュー

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優希

誕生日をモチーフにした、村上さん選りすぐりの短編集。どの作品にも何処となく鬱のような暗さが漂うのが味でしょうか。誕生日というのを単なるお祝いとして捉えないところに惹かれました。今度誕生日を迎える時、どのようなことを思うのかも気になります。

2017/05/13

キジネコ

ラッセル・バンクス「ムーア人」が1幕めを務めるアンソロジー。誕生日をめぐる11幕。お気に入りの「バースデイ・ガール」は、この本の為に書き下ろされたと聞いて読みたいと予予。幕開のヒロインはレストランを借りて一族から80歳の祝福を受ける老女。彼女の視界を横切る一人の男。彼は今や50台の壮年。同じ町に住み同じ店に通いながら邂逅の時を得ない二人には遠い過去の秘密が…恰も各々の軌道を描き宇宙を旅する彗星が30年を隔てて交差するロマンテイック。物語は読者に豊かな問いを与えます。美味なるかな、その芳醇。深く届きました。

2019/03/28

Y

年々誕生日がくるのが憂鬱でそんな気持ちを軽くしてくれる何かがあるかもしれないと思い、今年の誕生日が来る前に読んでしまおうと手に取った。今私が憂鬱だと感じていることは歳をとったらなんでもなくなるものだと思ったけど、歳をとる度にまた別の困難が人生に登場して人を苦しめるんだなということがわかった。人生は基本的には苦い。苦さは形を変えて続いていくけれど、それがその人の持ち味になるのかもしれない。これから出会う大切な人の今まで感じてきた苦みを知りたいと思う。

2017/01/02

ケイティ

冒頭の「ムーア人」で一気に心掴まれてしまった。最後の数行は何度読み返しても胸に響く。すべてではないが、全体を通して「村上春樹が選んだ」という醍醐味を堪能できる短編集。誕生日を迎えるごとに損なわれてきたという喪失感。それは具体的な何かではなく、ずっと私たちについてまわるのかもしれない。それでも、誕生日は特別で大切な一日だと信じられる力がある。訳者あとがき、解説含め、良い文学作品たちに触れられました。

2017/03/26

吉野ヶ里

誕生日をテーマに集められた短編集。誕生日の話って老いか、思春期がやっぱり多いのかしら。「ムーア人」昔の恋人が年を重ねて老人になっていた。なんというか舞台設定で既に完成している。「ダンダン」無軌道な若者たちの話。「ティモシーの誕生日」息子が両親に復讐する話。使いっぱしりのエディがおそらく一番の被害者。夫婦が重ねた時間の重さは簡単には揺らがない。静かに失われていく感じが良い。「バースデイ・ケーキ」孤独な老婆がケーキを譲ってやらない話。誰も悪くないのに、誰も救われない。

2019/10/01

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