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恋ほおずき

恋ほおずき

恋ほおずき

作家
諸田玲子
出版社
中央公論新社
発売日
2003-07-01
ISBN
9784120034145
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恋ほおずき / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

表紙は女性がほおずきを持つ絵。堕胎の是非が問われてきた本作だが、結局結論は出ていない。妊娠の事情が様々だから法律で一律に禁じるのは間違っている事は、女性達の事例で明らかだ。だが、法律で全く取り締まらなくていいというスタンスでもない。妊娠及び堕胎が人目を忍ぶ事情であれば、恐喝や強請りに悪用され、更なる苦しみを味わう女性もいるからだ。弱者にたかる悪者を取り締まるためには、法律もやはり必要である。 ただ、公の立場で法律を定めるとしても、杓子定規で、現状に即しない法律では、かえって悩める人々の希望を摘んでしまう。

2007/09/11

青豆

中條と呼ばれる堕胎医の女医・江与のもとを訪れる様々な事情を抱えた妊婦たちと市井で起こる事件を絡めて展開される連作短編集。時の老中・水野忠邦は堕胎医の禁止を検討しており、その調査を命じられた同心の清之助と出会う。お互いの立場や考え方の相違で対立しながらも、行動を共にする中で少しずつ心が通じ合い惹かれ合う二人。しかし武家と町人という身分差、妻帯者という悲しい現実。望まない妊娠に苦しむ女性を助ける江与が悲しい恋に身を焦がすという展開が読んでいて辛かった。恋の代償に苦しむのはいつも女性である

2015/03/04

たーくん

市図。中央公論社。時代小説。女医者が様々な人々とふれ合い一喜一憂する。優しいけど、芯の一本通った生き方がいい。

2014/03/09

としえ

中條流──表向きは妊婦や子供の病気を扱う医、実際は堕胎医。堕胎を禁止するお触れは出されているものの、建前は妊婦・子の病気を見る中條流はお上からも黙認されていたのだが、今後取締りの対象になりそうな風向きになってきて・・。中條流の女医者・江与と、取り締まる側のお役人・清之助。立場も意見も対立していた二人だったが・・・。堕胎という重たいテーマながらも、やんちゃな平吉や、洞察力は鋭いながらも下手な俳諧を趣味とする岡っ引きの梅蔵ら、周りの人達が和ませてくれるので読みやすい。

2012/02/18

まろん

★★★の 初読み作家さん。時代物で女医の話。主人公の江与は子おろしを扱う女医。まだ見ぬ命を切り捨て母親を助けることに葛藤を覚えつつも揺るぎない信念をもって仕事に邁進している。過去に辛い経験をしつつも、またしても同じ轍を踏むことに。恋心はままならないものだけど、幸せになれない事がわかっている恋愛は辛いなあ。

2018/10/07

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