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光ってみえるもの、あれは

光ってみえるもの、あれは

光ってみえるもの、あれは

作家
川上弘美
出版社
中央公論新社
発売日
2003-09-10
ISBN
9784120034428
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光ってみえるもの、あれは / 感想・レビュー

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禿童子

川上弘美の作品は初めて読むが、メルヘンのような読後感がある。村上春樹が陰性のメルヘンなら陽性のメルヘンかな。二人の少年といってもエッチもすれば、女装もする高校生がトム・ソーヤーとハックルベリ・フィンのように様々な「冒険」をして会話を交わす。少し世間並みを外れた母や祖母、世が世なら父親であったはずのヘタレた中年男、終始フルネームで呼ばれるカノジョ、詩人のような飄々とした担任の先生が出たり入ったりしながら物語が進む。ああいいなあ。平戸諸島の小さな離島の風景は高校まで住んでいた私の島に似ている。かえりなんいざ。

2022/03/17

がいむ

タイトルもだれかの詩なのかしら。ひとつの章に必ず短い詩や短歌のフレーズが引用されています。構成をいろいろ考えた作品なのかなと思うけど、お話自体は少し変わった家族の物語でとてもなめらかで読みやすい。大人びた高校生、翠くんが主人公。長崎の島の場面がいいのと、自由な母親が「ばかばかばか」「だめな母親で、ごめん」とけがをした息子に言うところが普通でほほえましい。いろんなことがありながらもよい人に恵まれている息子にほっとする。

2014/04/27

もぺっと

祖母と母と暮らす16歳の翠くんが主人公だが、ストーリーがあるような、ないような物語で、川上ワールドという感じ。大鳥さん、花田くん、キタガーくんなど登場人物が少々変わっていて、浮世離れしたような人たちが多い。ことばの端々もどことなくユーモラスで、味わいがある。翠くんや花田くんの、こういうモヤモヤした感じ、それが思春期なんだろうね。

2016/02/23

ゆう

主人公を取り巻く人たちが、禅問答のような掴みどころのない会話を繰り広げる…妙にツボにハマった。 最後、翠の成長物語みたいになったけど、前半の会話部分が特に面白かったかな。

2021/06/19

ヒラP@ehon.gohon

「自分に遺伝子を提供してくれた男」と、母親と祖母。どろどろしてしまいそうな、怪しげな関係に、不思議な親友、女友達、わけのわからない担任教師。これだけのキャラクターが織り成すのはとてもピュアな物語でした。小説そのものが光って見えました。

2016/05/09

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