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真昼の星空

真昼の星空

真昼の星空

作家
米原万里
出版社
中央公論新社
発売日
2003-10-01
ISBN
9784120034503
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真昼の星空 / 感想・レビュー

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ジュースの素

読売新聞に連載されたエッセイ。この人の書く少し辛口のハキハキした文の小気味のいいこと。ロシア語通訳として活躍され、世界中を歩かれたので各国の歴史やエピソードが湧き出るように並ぶ。表題の真昼の星空も、なるほどと言った内容で、思わず考え込んでしまう。日本の常識は世界の非常識なんて事もたくさん出て来てそのウィット感が楽しい。

2016/02/04

よし

初めて彼女のエッセィを読む。「打ちのめされる」ようなインパクトはなく、すらすら読める。それでも、ユニークで歯に衣を着せぬ語り口は健在。マッサージでツボに入って痛いのだけどその心地よさ、という感じ!題が洒落ていて、引き込まれてしまう。話の視点も見事。「昼行灯の面目」とか「存在感と名人芸」「点と線の向こうにこそ」・・。「幸か不幸か」の八月生まれを悔いる富豪の娘に、Г人はどんな幸せのなかにも不幸を見いだす天才である。」また、「ゴルフ場の老人」でのダブル落ちには思わず唸ってしまう。「鳩は平和のシンボル?」もいい。

2014/07/27

星落秋風五丈原

米原さんは、幼少時を日本ではない外国で過ごした。だから、ずっと日本にいる我々が普通だと感じている事でも、彼女には気になってしかたがないし、何だかおかしいと思われる事を鋭く指摘する。その視点がとても新鮮だったのに、今回は随分と柔らかくなってしまったと感じた。掲載誌の性質上、「下ネタとイデオロギーに関する話はやめて下さい。」と言われたそうだ。下ネタはともかくとして、イデオロギー封じというのは、正直痛かったのではないか。そのため、記述に関しても、鋭い批判の眼を向けにくかったのでは。

2005/05/13

Mayu

知識のピースと考えを練り直す視点、ともに、得るものがあるのが米原さんの著作かなと思います。「民族移動」に書かれていた、市場原理が何ら抵抗を感じさせずに人々を画一化していく恐ろしさや、ディズニーランドで感じる違和感など、日常生活に埋れてしまっている、現代人の生き方の問題点が認識できる。美人の感覚が国によってかなり異なるというのも、面白かったです。

2014/04/02

遠い日

日々の種々を、しっとりと書いたエッセイはもちろん好きだが、この作品のように、米原さんの広い見聞と旺盛な好奇心が、いろいろな方向に花開いたような、自分の全く知らない世界を見せてくれるエッセイは、読んでいてわくわくする。縦横無尽に話が尽きず、リフレッシュさせてもらった。「絶食のすすめ」という話には唸らされた。「情報を飲み込み続ける現代日本人」についての一考だ。情報を咀嚼しそれを知性にまで高めるためには、今の日本人のようにのべつ情報をインプットし続けることはいかがなものかという提言。なかなか深くて心に残った。

2004/09/10

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