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雪の夜話

雪の夜話

雪の夜話

作家
浅倉卓弥
出版社
中央公論新社
発売日
2005-01-22
ISBN
9784120035845
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雪の夜話 / 感想・レビュー

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七色一味

読破。しんしんと、心の奥底に沁み入る物語。最初のうちは淡々と、主人公の心象を折り畳み進む物語に違和感を感じることしきりで、物語に入り込めなかったものの、読み進めて行くうちに、その静かな言葉に埋れて行くように、物語の世界に惹き込まれていた。孤独とかそう言った不遇を密かにかこちながらも、それを認識していなかった主人公にも、雪が融けて緑が芽吹くような、微かな春の訪れがあって、ちょっとジ〜ンっ、としてしたった。

2013/01/28

アッキ@道央民

【北海道出身の作家を読むコミュニティ】雪の降る夜にしか会う事の出来ない不思議な少女、雪子と才能はありながらも職場の人と上手くいかない青年のお話し。一度就職したデザインの仕事を止めて、引きこもり状態になってしまった主人公。自分と言う存在がわからなく苦悩する中でも雪子とのやり取りを重ねる中から生きる意味に気がついていく。ラストは長かった冬が去り、暖かい春がやって来るのを感じられるような終わり方。雪の日の描写が綺麗だと思います。これからの季節にぴったりの一冊でした♪

2014/12/04

あつひめ

ロマンチックな風景と人間社会の難しさ・・・ちょっとアンバランスっぽい内容が、ひ弱な心が少しずつ筋肉を付けて頑丈になっていく内に、自分を取り巻く世界が少しずつ見え方が変化してくる。家族ともなんとなくギクシャクしやすいタイプの主人公。自分ではフツーに過ごしているつもりが家族にはそうは見えなかったり・・・。兄と妹・・・性別が違うから感情の置き所も違うけど、同性よりも素直に心配したりできるのかも。会社でのイザコザがちょっと雪景色を汚してしまったようにも思える。窓の外を見ながら雪ん子を探してしまいそう・・・。

2010/12/09

エドワード

生物は死ぬことはない。生まれ変わる。輪廻転生のような物語だ。相模和樹は雪国の受験生。ある雪の夜、公園で不思議な少女と出会う。彼女が見える人間は限られている。生と死の狭間の存在だ。東京の美大に合格し、やがて印刷会社でデザイナーとして働き始める和樹。職場の派閥争いに嫌気がさして帰郷し、地元の会社のデザインを請負う。7年ぶりに公園の少女と再会する和樹。全く変わらない少女の名は雪子。もどかしい感情表現がいい。再開発で公園が撤去されることになり、お別れパーティーの後に雪子は消える。彼女の転生は読んでのお楽しみ。

2023/12/16

「ソフィの世界」や「君たちはどう生きるか」の雪んこver.かな…。二度目の就職で引きこもりだった主人公が同じことを繰り返しかけてたときはハラハラした。でも、一度目の就職の失敗にも、これくらいの人はいくらでもいるし、ただ運が悪かったんだろうなあとしか。雪の情景の描写が素晴らしかったです。

2014/01/07

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