四十一炮 上
四十一炮 上 / 感想・レビュー
白義
肉と会話する力を持った小通が、謎めいた神廟の和尚相手に自分史を語る饒舌極まりない小説。最初は現在パートも静かなのだが途中から食肉祭の描写も混じり、どんどん幻想と現実の境目が怪しくなるカーニバル空間が展開されていく。それがまた過去パートの一見極めてリアリズムで泥臭いメロドラマな世界と対照を成し、小説の層を厚いものにしていて胃がもたれそうなほど。和尚がほとんど無言なのだが得たいの知れない存在感がその沈黙を雄弁なものにし、語りの坩堝の中でこれら全てが溶け合うポリフォニックな空間を醸し出している
2012/11/06
志ん魚
登場人物紹介で、「主人公=肉と会話できる異能を備えた肉小僧」などとあり、どんだけ。。。とにやけながら読む。どうやら、屠殺の村に生まれ、「肉神」となった少年の回想のようだが、どんなクライマックスを迎え、どこに着地するのかまだ想像つかない感じ。とりあえず、現代中国の貧しい村の切実な状況がたくさん語られていて、にやけて読むような話ではなかった。。。なにやら不穏な空気が充満していて、下巻を読むのがちょっと怖い。
2010/12/24
古山一彦
村上春樹は残念でしたけど、莫言は大好きな作家なのでウレシイ。 特に「四十一炮」は面白いよ。ケラケラ笑って読んだけど、結構怖い話です。中国的というか中国らしくないというか、マジックリアリズムと簡単に言うけど、もっと泥臭い感じがして好きです。 コレを機会に文庫の新訳が出るといいな。
2012/10/12
yami
◎
2010/08/06
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