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夜の公園

夜の公園

夜の公園

作家
川上弘美
出版社
中央公論新社
発売日
2006-04-22
ISBN
9784120037207
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夜の公園 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

冒頭は、夫婦の対幻想が崩壊したところから始まる。夫の幸夫は、この段階ではまだ必ずしもそうではないのだが、リリはもはや彼のことを「好きではない」と自覚する。その後、物語は幸夫とリリ夫婦、リリの高校時代からの親友である春名、悟と暁兄弟が核となって展開してゆくが、それにつれて制度としての関係性は、しだいにその意味を失ってゆき、とうとう最後には繋がりの糸が切れ、彼らみんなは、それぞれの孤独を抱えたまま生きていくことになる。そもそも、繋がりは最初から幻想に過ぎなかったのかも知れず、全編に孤独と淋しさの漂う作品だ。

2012/06/24

モルク

結婚2年目のリリは、もう夫を好きでなくなったことを夜の散歩中に気づく。リリの親友春名はリリの夫幸夫と不倫、他にふたりのセフレも。そしてリリにも若い恋人ができる。ある日テラスで偶然二組が遭遇し、若い男に一万円渡し会計させるリリの姿を見て幸夫は「俺の稼いだ金で」と思う。確かにあんたの稼いだ金だけどね。でも…。不登校の女子高生とその友人との関係がリリと春名に交差する。今後リリはどうするのだろう。下半身のゆるい人たちの話だったが言葉の美しさで魅せられる。

2021/04/10

ヒデミン@もも

読み友さんの本。久しぶりの川上弘美ワールド。そうだった。この感じ。話しの内容はドロドロなのにあっさりと美しい関係に思えてくる。

2022/10/10

にいたけ

独特の美しい文体。不思議な句読点。静かに物語は進んでいくがまあまあ不倫、ダブル不倫。どうして好きでもない人と一緒にいるのだろう?ベストな選択だったはずなのに🤔男に抱かれると安心する。抱かれることが目的?不倫相手同士鉢合わせても修羅場にならない感じが一人一人の距離感、隔たりを際立たせて悲しかった。自分を見つけた女の人は強いと思った。やはり男は力技したがるね。

2022/08/11

R

女の友情?を描いた作品だったと思いました。全然違うわ、と女性から怒られそうですが、二人の女性の関係性が、友情という言葉にあたるかわからないけども、実に不思議に見えて、でも女性にはよくあることなのかもと思わされたりしつつ、翻弄される男性の気持ちには、物凄く共感できたのでありました。男性が女性を理解できない様をこれだけ見事に描けてしまうとは、どういうことなんだろうと不思議でなりませんが、楽しいとかとは別ながら、読まされました。

2018/03/13

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