「歌」の精神史 (中公叢書)
「歌」の精神史 (中公叢書) / 感想・レビュー
miyuki
2月1日中に。「歌」の精神史ということで、近ごろに失われてしまった(らしい)歌謡曲の心を取り戻すため、演歌を中心に、短歌の抒情と演歌の感傷という一般的な図式を疑ってみて、歌謡や短歌を含めた「歌」を論じようとした矢先、現代短歌の抒情が近代短歌と比べて乾いてしまったという著者の感覚をまず洗いざらしてから、様々な古い中世の歌謡などを参照するという、方向性が不明瞭で複雑な本。やはり「うた」を論じるには主観が入りやすいのであろう。しかし、興味深い本である。俵万智についても語ってある。
2016/02/01
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