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正弦曲線

正弦曲線

正弦曲線

作家
堀江敏幸
出版社
中央公論新社
発売日
2009-09-01
ISBN
9784120040375
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正弦曲線 / 感想・レビュー

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いくっち@読書リハビリ中

穂村弘さんと同じ匂いを醸しながらもスタイリッシュで緩やかで上品に仕上がった随筆集。最後まで大事に読んで一番初めに再び戻る。「優雅な袋小路-正弦曲線としての正」緩やかな振り幅が心地いいともう一度読みたい気持ちになれる。サイン・コサイン・タンジェント、巨人・大鵬・卵焼き。随筆の中の出来事をいつか自分のことのように話してしまいそうな予感も!そして、この話はどこで出会ったんだっけなと文庫化されたときにまた読み返して、おぉぅ!と驚嘆するのであった。

2010/01/21

鷹図

上手すぎ。広範な物事を「正弦曲線」に絡めて語り、オチをつけるということの凄さ。座学とフィールドワーク、豊かな人生経験からなる博識と、「サインコサイン…」のフレーズに通ずる文章のリズム。著者の力量には毎度舌を巻く。…のだけれど、私の持論に「名エッセイストに名小説家なし」というものがある。著者が本書のレベルで小説を書いているかと言うと…?少なくとも私にとっての堀江氏は、天才エッセイストにして名書評家件翻訳家、しかしてその正体は…まぁまぁの作家、というところである。

2017/08/03

serene

堀江敏幸のエッセイは曲者だ。 本を放り投げたくなるほどイラっとさせられることもある半面、言葉の使い方、エピソードの取り上げ方が絶妙で、その感性の豊かさにほれぼれさせられることも、また多い。 さりげない始まりに油断しているとすっかり取り囲まれてしまう。 「正弦曲線」はかなり気に入った。

2012/12/10

ネロリ

サイン、コサイン、タンジェントから始まるエッセイ。音と形と意味に解かれた言葉が曲線を描いて舞い上がっていくさまを眺める心地よさ。堀江さんの文章は油断がならない。見知った物事は、ぐにゃり形を変えて知らん顔なのに、知らないつもりでいると、いつの間にか隣で澄ましてる。エッセイというには、あまりにシュール。

2012/05/16

utataneneko

少しずつ、大切に読んだ。一見なんでもない日常のひとこまから始まるエッセイだとしても、まるで上質な短篇小説を読んでいるかのようなハッとさせられる場面があったり、深い思索にいざなってくれたりする。本や詩からの引用もとても魅力的で、いろんな本が読みたくなってしまう。

2010/08/28

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