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静子の日常

静子の日常

静子の日常

作家
井上荒野
出版社
中央公論新社
発売日
2009-07-01
ISBN
9784120040467
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静子の日常 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

『切羽へ』が初読みでしたが、女性作家さんにしては珍しく、いい意味で作品の中に「気だるい感」が適度に滲み出て、その感じがまた読んでいると刺激になります。日常のなんてことはない心理描写を細かいところまでとらえて書き上げており、構えて読む必要はなくても、読んだ後は、なにか考えさせられる、そんな感じの作品です。内容自体は難解ではないので、ストレスなく気軽に読めます。ついつい他の作品も気になって読みあさってしまう、そんな作家さんです。余談ですが、他の作品では「猫」もちょいちょい出てくるので、お好きな方は是非どうぞ。

2010/11/25

風眠

出しゃばっているわけじゃないのに顔がきくというか、たおやかな雰囲気だけれど侮れないところもあったり、とても活動的で粋なおばあちゃん、静子を取り巻く日常を描いた物語。私の中では、『阪急電車』で宮本信子が演じたおばあちゃんのイメージと重なる。静子おばあちゃんのように上品で可愛らしく、粋で凛とした女性は、本当に素敵だと思う。続編とか・・・書いてくれたら嬉しいなぁ。

2012/05/20

nico🐬波待ち中

75歳の静子さんの日常は一見ありふれているけれど、常に胸の奥がざわざわと揺れ動いている。行きたい所には自分の意思で行き、夫の葬儀の日に「妻」をやめる決意をした静子さんはとても清々しく凛々しい。その反面で長年の想い人への気持ちの揺れはとても切なく、一旦決めたことは最後まで貫く信条も静子さんの年齢や経験の積み重ねによるものだとしみじみ思う。もう若くはないことを自覚し、けれど新たなことを知ることはまだできる、と常に前向きな静子さん。とても潔くチャーミングで、私も将来こんな風に歳を重ねていきたいと思った。

2018/09/15

chimako

久しぶりにゆったりと「こういう本読みたかったんだよねぇ」と思いながらの読書だった。静子さん、いいなぁ。75歳の可愛らしいおばあちゃん。ほんの少し艶っぽいところもあって。静子さんの回りには、私や弟はほんの子どもで父や母も若かった頃の当たり前の暮しが有る。お正月には新しい下着と晴れ着。丁寧な言葉。少しだけ手をかけた日常。家族の隙間もさりげなく埋められる。悪口を言わないからね。そんな人になりたいなぁ。孫がいないからおばあちゃんにはなれないけれど、可愛いおばあさんにはなりたい。良いお手本ができました。

2016/12/04

おくちゃん🍎柳緑花紅

静子さんの日常が、とてもカッコイイ。目指したい。賢くならなければ・・・まずは思ったことを直ぐに口に出すことを控えよう。物事の本質を見る目を養おう。井上荒野さんは苦手意識があってなかなか手に取らなかったが、是非他の作品も読んでみよう。「自由であるためには、心強くあらねばならない」そして「若くはないけど、新しい歌を知ることはまだできるんだわ」装丁の静子さんが菫色の水着でバタフライで泳ぐ姿がチャーミング。そしてこの本にはもう一つ菫色が!粋です。

2015/01/18

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