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東京アクアリウム

東京アクアリウム

東京アクアリウム

作家
小池真理子
出版社
中央公論新社
発売日
2010-01-01
ISBN
9784120040894
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東京アクアリウム / 感想・レビュー

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あつひめ

人が40年、50年生きていれば、人には曝したくないことのひとつやふたつ、いや、それ以上の数の出来事があるのは当たり前。それを己の心の内にしまえるかどうかで懐の深さが決まる気がする。わざわざ悩みを口にしてどうするの?って考えの私には、今回の短編集はとても読み心地のよいものばかりだった。人の人生、やはり最初からストーリーは出来上がっていて、出会うべくして出会う人っている気がしてきた。偶然なんてないのかも。出会いも別れも…仕組まれた出来事。思い悩むことなかれ…。

2014/03/30

のり

8話からなる短編集。ほとんどの話が不倫が絡んでくる。この作品を読んでると当たり前の出来事に思えてくるのが怖い。世の中の何%の確率で不倫を体験しているのだろう。一時は幸福感に包まれるだろうが、された側はたまったものではないし、崩壊の序章になる。あまりにも救いがない。バレなければOKだと安易に考えるのは浅はかだ。「猫別れ」はお気に入りの話だった。

2019/04/02

カザリ

なんだかなあ、「おっしいなあ~」という短編の連続でありました。90年代の短編はもっとバブリーな恐怖に彩られていて、それはそれで劇的にミステリアスでよかったんだけど、それでも当時から小池作品って、自分の中で突き抜けないものがあって、それほど熱心に読んでなかったんだよね。。棺猫がいちばんこわ・いい話かなあ。。う~ん。おっしいな~、は自分でやります。。。

2014/08/16

シュラフ

小池真理子にはまっている。作品名の付け方がよい。そしてその文章の言いまわしがうまい。読めば読むほど味わい深く、総じて完成度は高い。この短編集も、特段の事件性はないのだが、なにげない日常生活の中から登場人物らの人間模様を浮かび上がらせている。表題の「東京アクアリウム」もカフェバーでの二人の中年女の人間模様。他愛ない話をしているようだが、実はともに心に大きな喪失感を抱えながら青色吐息の中でかろうじて生きている。今まで前向きに生きてきたつもりであるが、気がついてみれば何も変わっていない。少し分かる気がします。

2015/07/25

けいこ

8編からなる短編集。40代の女性達。酸いも甘いも知っている筈なのにふとした瞬間に泣きたくなる程の孤独や寂しさが風の様に心に吹き荒ぶ。愛しい日々はずっとは続かない。わかっているけれど、やっぱり悲しい。恋愛絡みの話が多い中、認知症の母親を施設に入れる『猫別れ』が印象的。

2020/01/31

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