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告解者

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作家
大門剛明
出版社
中央公論新社
発売日
2010-09-01
ISBN
9784120041495
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告解者 / 感想・レビュー

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モルク

40代サラリーマンが刺殺されるところから始まる序章。刑期を終え出所した人の社会復帰や更生をする金沢の施設で補導員をするさくらが主人公。その施設は軽微な犯罪の者が多かった中、二人殺害し無期懲役だった久保島が仮釈放で入寮してくる。温厚で真面目なその人柄に次第にさくらはひかれていく。更生とは何か。更生は未完成、更生は永遠に終わらないという言葉が響く。赦しとは…いろいろ考えさせられた。たださくらが好きにはなれず、そこが残念。お気に入りの大門さん、これからも追いかけます。

2021/10/12

紅はこべ

デビュー作の『雪冤』以来。『雪冤』は内容はともかく文章がゴツゴツしていて読み難かったが、本作ではだいぶこなれてきた。すごい真面目で、色気やエンタメ性は稀薄だけど。贖罪とか更正とかがこの人の作家としてのメインテーマなのかな。更正すべきなのは、監視されていたのは本当は誰だったのか、その点はミステリらしいどんでん返し。真の悪人が咎められず生き残る。牧野社長に真実は知らされたのだろうか。

2019/11/10

とろこ

あらゆる点で、予想通りに物語が進んでいった。その意味においては衝撃はなかったが、罪を犯した者の更生、というものの意味を深く考える機会を与えてくれた。罪を犯す動機も人それぞれ。時には、同情してしまいそうなものもある。が、殺人はやはり罪。赦されるものではない。被害者遺族からすれば、加害者が謝罪しようとどう生きようと死刑になろうと、死んだ者は帰って来ない。どこまでいっても、加害者と被害者は敵対するしかないのだろうか。真の更生とは、どういうものなのだろ。補導員や更生保護に携わる人々の苦悩を知ることもできた。

2018/11/06

nyanco

本書のテーマは『更生」舞台となる「更生保護施設」、実は私の家の近くにもあります。建設の際には近隣住民の反対があったし私も小さな子供や娘がいたら心配すると思います。しかし、こういった施設の実情や必要性が綴られ、周知されることはとても意味のあることだったと感じます。その点はとても良く書けていました。23年間久保島が模範囚で仮出所を目指していた理由を知ると『刑務所の意味』はあったのだろうか…と感じ虚しかった。刑事の梶、さくらの心情も見事に描かれ、これはとても良かった。続→

2010/11/03

takaC

結局のところ石川県警のチョンボが発端だよな。自己中心的な人ばかりだったけど、それが現実社会だと?

2013/09/15

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