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優しいおとな

優しいおとな

優しいおとな

作家
桐野夏生
出版社
中央公論新社
発売日
2010-09-01
ISBN
9784120041501
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優しいおとな / 感想・レビュー

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nyanco

荒廃した近未来の作り込み方がとても巧く、桐野さんの新境地、なかなか面白いぞ…と連載時に感じ単行本化を楽しみにしていた作品。「OUT」の頃の桐野さんのドロドロ感に比べると乾いてザラザラとした感じがします。いったい何処に辿り着くのかが謎だったのですが、着陸地点は…ああ、そこだったんだ、とやや勿体なさも感じました。イオンをはぐくんだ謎の部分に関しては、もう少し書き込んだ欲しかった。このところの作品、桐野さん何かを模索されている感じがとてもします。この作品はなかなか面白い試みをされていたように感じました。続→

2010/10/08

パフちゃん@かのん変更

図書館で何気なく借りた本でしたが、気に入りました。主人公イオンの成長物語と言ってもいいでしょうか。家族とは?優しい大人とは両親の事だったのか?ページ数残り少なくなって、この話どうやって終わらせるのだろうと心配しました。イオンの過去も明らかになっていないし、様々な疑問が残るし・・・と思っていたら、まるで禁じ手のような強引な解決でしたね。かわいそうではあるが、これはぎりぎりハッピーエンドと言ってもいいのではないでしょうか。気に入りました。

2012/09/20

ミナコ@灯れ松明の火

放っておいてくれと言いつつもきょうだいを探し求めてしまうイオンの姿が痛々しく、苦しい。人に無条件に愛された記憶のある子供は、「もうだめだ!」という時にきっと踏ん張りが効く子になれる。できるならば、これからのイオンにその大切な記憶ができることを祈りたい。

2011/04/20

Yuna Ioki☆

947-150-29 深刻なテーマにしてはあっさりしてる感じ。少年をターゲットにした小説っぽいかな。でも現実にこういう子供たちいない事を願います。

2015/04/26

yu

Kindleにて読了。 福祉制度が崩壊した日本で、ストリートチルドレンが溢れ返る。児童相談所はただの子供を収容する施設のようになり、脱走するものが後を絶たない。そんな脱走者の一人イオンが主人公。子供時代にきょうだいとして育った鉄と銅の双子に会いたいがために、アンダーグラウンドに足を向けたイオン。そこからの展開が凄まじ過ぎて、そして後半は涙がとまらなくなる。これを幸せな結末と言ってしまうのは憚られるが、優しいおとなに囲まれたイオンに、よかったねと思える。『優しいおとな』のタイトルが上手い。

2017/06/04

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