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小説読本

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作家
三島由紀夫
出版社
中央公論新社
発売日
2010-10-01
ISBN
9784120041624
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小説読本 / 感想・レビュー

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びす男

「一行一行が壁になり、彫刻家のノミに反抗する大理石になる。この作業が、日々の訓練なのだ」。方法論から哲学まで内容は多岐にわたったが、一番響いたのはここだった■記者もパソコンを使う時代。今や文章は「書き下す」ものでなく、書いてから修正、修正を重ね、完成に近づけるものになっている。しかし、それでいいのだろうか■冒頭の比喩は非常に分かりやすい。彫刻家がひとつ削ることは、ある種取り返しのつかない行為だ。その緊張感を持って、一文、一文書いてみるトレーニングも必要ではないかと思う。今度、手書きでものを書いてみよう。

2019/01/19

K(日和)

三島由紀夫が小説を如何に捉えているか。「主題」「環境」「構成」「書き始めること」。書き始めなければ始まらない。他のどの仕事しても合わないとわかってからでも遅くないんじゃない?という警鐘。

2018/01/11

高橋光司

没後40年記念出版、と云うことは6年前の本。絶筆となった「小説とは何か」を中心に再編集されたもので、一応書名としては初出なのでコレクションの一冊として購入しました。内容は、いずれも久しぶりの再読になるのですが、やはり三島の鋭い視点と明晰な分析力には舌を巻きます。

2016/10/11

harass

三島由紀夫全集より小説論や創作作法や執筆に関する文章を集めたもの。2010年発行。文章は軽めで読みやすく短いものが多い。内容もいろいろ唸る部分多くさすがと感じる。個人的に面白いと思ったのは、『自己改造の試み』で、17年間を振り返って作品を例にあげて、それぞれの作品で意識した文体を説明している。金閣寺は、森鴎外+トーマス・マンの文体を意識したものだったとか。  『楢山節考』を元原稿で読んだ時のことやバタイユの小説については以前から読みたかったがさすがに全集まで手が届かなかったのでありがたい。

2013/07/11

あお

芥川賞の選考委員をやっているときの本音や、文中にカッコを入れて突っ込んでいる部分なんかニヤリとした。そして本書で読者が驚かされのは、第一には鋭い日本刀の如き彼の洞察力かもしれないが、やはり僕の心を捉えて離さないのは彼の類稀なる感性である。刑事訴訟法の中に小説を発見し、動物園のある動物をみて、これこそが完璧な小説ではないかと感動する。なんと面白く!そして恐ろしい人であろうか!そして、「舞良戸」というひとつの単語を例にとって説明する彼の作家論に、言の葉一枚に命の息吹を込める文豪の魂を僕はみました。

2015/01/09

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