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アンダスタンド・メイビー 下

アンダスタンド・メイビー 下

アンダスタンド・メイビー 下

作家
島本理生
出版社
中央公論新社
発売日
2010-12-01
ISBN
9784120041686
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アンダスタンド・メイビー 下 / 感想・レビュー

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遥かなる想い

下巻に入ると、黒江の写真家のアシスタントの 日々が描かれる。再開した彌生君との日々は 微笑ましいが… 黒江が抱える トラウマが 突然に 幸せを壊していく…少女から 女性へと 成長する黒江のまわりで起こる出来事が 目まぐるしい。幼女の性的虐待、レイプ、新興宗教…多すぎる出来事が 邪魔な感もあるが、 最後は 明るい未来へと 羽ばたいていく …そんな印象の終わり方だった。

2019/09/05

扉のこちら側

初読。段々と壊れていく黒江に胸が痛んだ。ネタバレになるが、最近読了した東野圭吾の白夜行の雪穂と同じように、幸福な少女時代を奪われた黒江。自分の身に起きたことを理解出来なかった黒江もまた、後の人生に苦しむこととなった。もがき苦しみながらも、歩み始めた彼女に穏やかな未来を。彌生か仁かどちらかと結ばれると思ったのだが、男に依存せず終わったこの形が良かったのかも。

2013/01/07

涙が止まらない。彌生君。彌生君。島本さんの文章が痛くて痛くて、心を揺さぶる。こんなに痛いのは、私も同じ思いを抱えているからで。説明も出来ないくらい支離滅裂な思いが、ここにある。恥ずかしいことに、どうしてこんなに人を傷付けてしまうのか、どうして人との間に壁を作ってしまうのかずっとわからなかった。悲劇のヒロインだなんて思わないけれど。もう間違わないように、本当に心の底から闇を拭えるように、ただ前を向いて歩きたい。誰かにとってはなんてことない重い本かもしれない。でもこの本は間違いなく私の人生の道標になる。

2012/01/21

nyanco

時を経て彌生くんと再び出会い、やっと幸せを手にしたかと思えた黒江だったが、黒江の心の隅に隠れていた傷が更に広がっていく。彌生くんが戸惑う様子が悲しい。母が黒江から顔を背けていた理由を解明していく過程…、やはり…という感じが本当に辛い。母が、そして父がもっと違う解決を見つけてくれていれば…と読んでいて悔しくてならない。黒江は、これから救われるのだろうか。解決の仕様のない過去を背負った黒江、明るい未来がみたいのですが、まだこれからもずっと過去が彼女を苦しめるようで何とも重い気持ちが残る読後感でした。

2011/01/17

のり

確かに要所要所で不幸な出来事も多々あったが、回避出来る事もあったし無防備過ぎる。追い求めて丸く納まると自ら手放すし、落ち着きがなく身勝手極まりない。そんな「黒江」を最後まで見捨てなかった写真の師匠の「仁」はそれこそ救いの神だったのではないか。彼自身も抱えているものがあったが、写真家としての矜持を見せてくれた。

2021/08/24

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