天狗の剣: 幕末京都守護職始末
天狗の剣: 幕末京都守護職始末 / 感想・レビュー
Die-Go
図書館本。会津の少年剣士服部孝太郎は、ある事件をきっかけに父との間に埋めることのできない溝を感じて育ってきた。それに反発するように剣技を磨いてきた孝太郎。そんな中、風雲急を告げる京の都に会津公が京都守護職の打診を受ける。迷いに迷う上層部。男として京に上がって一旗揚げるのは本懐である。そして、あの事件の始末をつけるため、父は切腹することとなる。そこから何を感じ取ることができるか。孝太郎の道が拓けていく。★★★★☆
2023/08/28
Haru
とても読みやすい文章で面白くもあるのだけれど・・・うーん。小天狗と呼ばれる剣の才能と(なぜか)料理の才を持つ少年・孝太郎をもう少し丁寧に書きこんで欲しかったかな。さらに言えば、まだ政情とは少し離れた位置にいる孝太郎を書く会津側と、公武合体を目指して政治の中心で暗躍する春嶽側との並列が馴染まない気もしました。とはいえ、これは1作目らしいので、2作・3作目で孝太郎が幕末動乱の中どのように成長していくのか期待したいと思います。
2014/01/19
よっしー
幕末の動乱が起ころうとしている頃の会津の少年達に焦点を当てたストーリーでした。孝太郎の父の思いが深く思わず涙しそうになり、真之助の冷静な思考に感嘆したり…。現代の人間には成せないであろう意志の強さが現れていました。続編もあるようなのですが、京の地のお話か会津での出来事か。どちらに焦点が当たっているのか気になります!!
2015/03/06
読書家デビューさん#
戦いの描写はとても細やかで、緊張感や熱気がひしひしと伝わってくる、参考文献の量をみたら納得 悲しい運命を辿った忠義の会津藩士の行末を歴史から知っているからなんとなく読み進めていくのが辛い とはいえ他の派閥が悪というわけではないので孝太郎の成長にだけ焦点当てて読むことに たった100年ちょっと前なだけなのに、風習価値観思想など全てにおいてこんなにも違うのかと 孝太郎父さんの最期、立派と思うと同時に他に方法がなかったのかとなんとも言えない気持ちになりました シリーズを通して孝太郎の(主に心の)成長が楽しみです
2024/06/24
二分五厘
藤本ひとみさん、洋物ばかりじゃなかったんですね。幕末会津藩、京都守護職拝命に揺れる城下で、父親との距離を図りかねながらも、剣術修行に明け暮れる服部孝太郎。父親の切腹、盟友・北原真之介との立ち会い、京都・鞍馬での鍛練を経ながら、動乱に巻き込まれていくのか。未だ元服してきない孝太郎、何度も『前髪の……』という前置きが入るので、言動も合わせて余計子供っぽく感じてしまう。梶原平馬、母、彩、田中新兵衛、全ての伏線は荒廃の京都に。文体が平易で読みやすいが、会津側舞台の小説は以前挫けている。心して次巻へ。
2015/06/24
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