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モナ・リザの背中

モナ・リザの背中

モナ・リザの背中

作家
吉田篤弘
出版社
中央公論新社
発売日
2011-10-22
ISBN
9784120042911
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モナ・リザの背中 / 感想・レビュー

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優希

現実、夢、妄想ともとれる世界観が心地よかったです。絵画の中に迷い込み、彷徨いながら、普段は二次元で体験している世界を三次元で体験している様子に不思議な空気を感じました。世界が乱れて境界が曖昧になる危うさ、曇天先生とアノウエ君との少しずれた会話に独特の雰囲気があると思います。屁理屈や言葉遊びが満開で、絵画の冒険をより鮮やかにしているようでした。ふわふわと漂うような空気感が流れていて、物語より雰囲気を楽しむ物語と言えるでしょう。気がつけば絵画の旅に共に誘われ、揺蕩う感覚に酔い仕入れていました。

2015/04/20

あんこ

再読。「圏外へ」や「パロール・ジュレ〜」のように、振り回される方の吉田作品。理屈屋の曇天センセイとイノウエ君(アノウエ君)のやり取りがかわいらしい。こちら側から絵のあちら側に迷い込んだり、またこちら側に戻ってきたりする曇天センセイですが、50歳という(曇天センセイいわく)人生の狭間のような歳に差し掛かって、絵画という媒体を通して少しだけコミカルに生死を考えているように見えました。

2014/09/17

星群

この本を読む場合、普段本を読む倍の時間を掛けて読むことをお奨めします。変なところでせっかちな私は、それが出来ずにこの本を上手く味わうことが出来なかった。絵の中に入り込んでしまうというあらすじに惹かれて読み始めたけど、想像と違って少ししょんぼり。また読み直したい一冊。

2014/01/06

sibarin♪

ふとしたことから絵画の中に入り込み、絵の奥を彷徨い歩き、ふとした時に現実に戻ってくる。しかも突飛もない場所に放り出される感じで。ファンタジー?不思議な話でした。クラフトエヴィング商會の本にはまってるので吉田さんの本を読んでみたがどうもすんなり入り込めないまま読了。曇天先生とアノウエ君の会話にも馴染めなかったせいかな。

2014/06/14

私こと曇天先生が、ダ・ヴィンチの絵を見に美術館に行くと、何故か『受胎告知』の中に引き摺り込まれてしまう。絵の中の世界と現実を行き来しながら、どんどん此岸と彼岸の区別が曖昧になっていく。読みながら今はあちらにいるのかこちらにいるのかと頭がぐるぐるした。これぞ吉田篤弘作品だといえる。吉田篤弘ワールドがお好きな方は好きだろうし、体験したい方にはおすすめ。星3.5。

2023/11/24

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