恋愛書簡術 - 古今東西の文豪に学ぶテクニック講座
恋愛書簡術 - 古今東西の文豪に学ぶテクニック講座 / 感想・レビュー
いちろく
紹介していただいた本。タイトルからイメージしていた内容と違った。寧ろ、タイトルからは想像できないよ!後世に残る作家のラブレターを元に綴られる恋愛模様の数々。亡くなった後でも色恋沙汰をネタにされるのも有名人の宿命か。他人の秘密を覗いてしまった上に、笑ってしまった話があったのも事実。得られた一番の教訓?有名人でなくとも、生前の終活はシッカリとするべき。もうね、これ以上は書きませぬ。
2019/01/03
きりぱい
のっけから詩人アポリネールが飛ばしている!カリグラムは心憎いけれど、あれよあれよという間に内容は倒錯的。元々愛する人だけに送ったものだから、親密な間でならさもありなんと思いつつ、部外者にとっては生々しくて気恥かしい。不倫や略奪愛など、モラルのゆるい関係が多いので、もはや醜聞をたどるようで一気に読むとちょっと食傷気味にもなってくるのだけど、百閒の情熱や、文句を使いまわすあきれたユゴー、恋愛論を書いたスタンダールがねえ・・などなど、作品とは落差のあるイメージもあったりして面白い。
2012/02/12
粋花
東西の作家や詩人12人のラブレターを集めて、その時の時代背景なども入れながらまとめてある。所々入る著者のツッコミが笑えた。私が好きだった手紙のやり取りは、谷崎潤一郎、コクトー、アベラールとエロイーズ。しかしこの面子、Mっぽいかも…
2015/12/10
swshght
中条省平の守備範囲は広い。文学、映画、ジャズ、マンガ、落語など多彩だ。彼の本の面白さは「派生」と「広がり」にある。そこではしばしば、本筋とは別のトリビア的な記述が目を引く。教科書的な話ではなく「裏」の話。本書はそんな「裏」が満載だ。取り上げるのは文豪や芸術家たちの恋愛書簡(=恋文)。中条氏は、彼らのエロティックかつアブノーマルな愛の形態を、膨大な文面から読み解く。その文面の内容はここでは言えないようなものばかりで、思わず引いてしまう。恋愛書簡は必然的に身体的/精神的距離を伴う、という恋愛書簡の逆説が切ない
2012/11/06
ハルト
書簡から見えてくる、文豪たちのいろいろな愛のかたち。エロティックだったりプラトニックだったり情感たっぷりだったり変態ちっくだったり。差出人と受取人の関係性含め、まさに多種多様。人により愛に求めるかたちが違うのだなあと感心。やりとりしていた期間の長さも、一時的なものから永続的なものまであり、またふたりの関係がどのような結末を迎えるのか等、どこまでも個人間─一対一のやりとりなぶん、相手に対する濃い感情が浮かびあがってきて興味深かったです。特にアポリネールと谷崎はすごかった…。
2012/07/13
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