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ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper

ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper

ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper

作家
森博嗣
出版社
中央公論新社
発売日
2012-04-24
ISBN
9784120043673
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ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper / 感想・レビュー

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kishikan

私にとって森作品72冊目となる本作。思えばS&M、Vシリーズなど数々のミステリを経、今このブラッド・スクーパに至ったんだなぁと感慨無量。でもこの作品、詩的な情景描写、抒情的語り口など、このところの特徴である静と動のコントラストが特に際立つ。それに、息つく間のない戦いの場面やちょっとした恋の内容もあり、前作より読み易く高感度大。我々は、主人公ゼンを通し「侍としていかに生きるか」を問い、人としていかに生きるかを知ることになる。終盤のゼンとクローチとの会話の中に、スカイクロラのキルドレを思い起こし、人知れぬ涙。

2012/09/05

punyupunyu

初巻に比べて、動きがあって楽しめました。「後ろを見れば笑えるが、前を見れば笑っていられない。」「人間は誰でも欠けているもの。どこかを補えば、またどこかが欠ける。死ぬまで不完全で当たり前。」「子どもは大人を見て人まねで育つ。大人は失ったものを子どもを見て学ぶ。」ゼンの思考を多分に表わして、哲学書のようでもありますが、剣術小説としても面白くなってきました。

2014/06/13

ひめありす@灯れ松明の火

千速振るという言葉を思い出す。正しく強い、力のあり様。廻る独楽の様に、何処にも余分な力が入っておらず、隅々までぴんと均衡を保ち、張り詰めた力の表れ。まっすぐに延びる、しなやかなひかりの様なその力。静かで淡々としているけれど、触れたら切り落とされるほどに鋭い。冷たく短くて。なのに緊迫感でキリキリと締め付けられる。触れなくては分からない、その熱も勁さも。青年が人の中で少しずつためていくもの。人との交流の中で少しずつ得ていく感情や絆。それは血潮となってまた青年の中から掬いだされる。傷口から溢れだした命。繋がる。

2012/06/14

akira

ヴォイド・シェイパシリーズ第2段。 そうか、だから表紙は竹なのか。登場人物も馴染んできて、面白かった。 じわじわと整う舞台。段々と迫り来る一大事。こういう展開もいいなぁ。 そして、今回は、何と言っても一人の才女。時代小説には、えてして魅力的な女性が登場するが、本作の女性は、とても女性的で、品があり、そして何より素晴らしい頭脳の持ち主。はっきりとした意志と思考に裏打ちされた会話、切れる。 加えて、ちょいちょい魅せるあざとさ…卑怯です。 「なんだか、お姫様になった気分です。お侍さんを従えて出歩くなんて」

2013/07/04

えむ

ハヤの家には「竹の石」という秘宝がある。この「竹の石」を盗もうする者達からハヤを守るゼンを描いた第二巻。今回は若干のミステリーを持たせ、かつ戦いの場面を多く取り入れることで、前巻と同様の自問自答・禅問答からくるマンネリをかわしている。クローチが言う「カシュウはゼンを見て、その真似をしたかった。」にはハッとさせられました。またゼンが戦い終わり、「戦うとは、つまり自分が変わることだ」に、前巻でも心に残る「変わることに価値がある。」を思い出します。三巻でのゼンの出生が気になります。865

2013/07/12

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