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天堂狂想歌

天堂狂想歌

天堂狂想歌

作家
莫言
吉田富夫
出版社
中央公論新社
発売日
2013-04-24
ISBN
9784120044946
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天堂狂想歌 / 感想・レビュー

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田中寛一

今から26年前の1987年に中国で起きた農民暴動を背景にした小説。村のあちこちにハリエンジュがあり、ニンニクの匂い、糞尿などの言葉。生活の違いに驚くし、臭くて痛痛しさが伝わってくる。事件に触発されて35日で書き上げるとは、さすがノーベル賞受賞者。役人たちの私腹を肥やすことに憤った農民の正義が認められても行くが、しばらくすると他県でまた重要ポストについたとか。政治経済体制を問わずどこにでも有りそうだ。89年の天安門事件もすぐそこ。そんな時によくぞ描いたものだ。民主化が更に進みますように。

2013/07/23

芋煮うどん

長い間積ん読だったが、ようやく読了。汚ならしい表現ととんでもなく美しい自然の描写のコントラスト。ニンニク事件がつい最近の本当のできごとなのが、一番の驚きだ。

2020/05/06

サトウキビ

莫言の作品は、どれも悲惨な作品ばかり。処刑の話とか、弾圧の話とか、一人っ子政策のために堕胎を強制する話とか。それでも、作者のユーモアで、というか登場人物たちのくそたくましい生き方と、悲惨な境遇で四苦八苦してるのに、どこか喜劇めいてもいる言動で、読むのが苦では無かった。しかし、この作品は救いがない。あるのは人民の苦しみと、役人の搾取だけで、上記の莫言っぽさは健在なのだが、それで悲惨さを中和できていなかった。

2015/01/27

hayaco

80年代後半の中国の農村。階級権力、悪臭漂う空気感がテンポよく魅力的に描かれているのは流石。方兄弟のように誰かを蹴落としてでも良い暮らしをという物ばかりが生き残る世かと嘆きつつ、身体が不自由でも、目が見えなくても、足指が12本付いてようとも、お人好しのお父ゥが捕まってもどこか幸せな空気の漂う高羊家族に莫言の希望が見える。この本は割と初期に書かれた本との事だが、ノーベル賞受賞を盾に更に自由な本で楽しませてほしいとも思った。

2014/08/17

ハルト

読了:○ 国の体制による臓腑ねじれるような理不尽。

2013/06/23

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