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レイモンド・カーヴァー - 作家としての人生

レイモンド・カーヴァー - 作家としての人生

レイモンド・カーヴァー - 作家としての人生

作家
キャロル・スクレナカ
村上春樹
星野 真理
出版社
中央公論新社
発売日
2013-07-09
ISBN
9784120045134
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レイモンド・カーヴァー - 作家としての人生 / 感想・レビュー

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林 一歩

ホワイトトラッシュの鬱屈した日常やコンプレックスを抱えた人物を淡々と表現し続けたカーヴァーのおそらく最高の評論だと思う。彼の描く登場人物そのものの人生だったとは、考えもしなかった。長くて重い(物理的に)本でしたが、とても興味深く楽しむ事が出来ました。

2014/04/02

つーさま

絶妙な距離感を保ちつつ、切りつめられた文体で登場人物の悲哀を描き続け、その死から四半世紀経った今も多くの読者を魅了する作家・レイモンド・カーヴァー。アメリカのチェーホフとも称された彼の歩んだ軌跡は、作品以上にドラマチックであった。若くして結婚、経済的困窮、重度のアルコール依存、編集者との歪んだ関係…。数えだしたら切りがないほど苦難続きの道を、カーヴァーは妻や子ども、仲間たちの助けを借りながら進み、やっとの思いで短編の名手へと辿り着く。しかし、それも束の間に過ぎなかった。(続)

2013/07/30

ぐうぐう

ワーキングプアの日常を、シンプルな文体で綴った短編が、アメリカ文学そのものの在り方を変えてしまったレイモンド・カーヴァー。彼の作風は、ミニマリズムと一言で形容されるが、一編一編が書き上げられるまでの、いや、彼が小説家として成功するまでの、その過程にあった苦悩を、キャロル・スクレナカはカーヴァーの文体を真似るように、淡々とした描写で、しかし700ページを超えるボリュームで持って記していく。アルコールに象徴されるように、カーヴァーの生き方は、依存に貫かれている。(つづく)

2013/08/15

yooou

☆☆☆☆★ なんと綿密な調査なんだろう。どうやったらこんな細かい部分まで調べきれたのかと思わずにはいられない内容で一杯でした。そこに浮かび上がってくる矛盾に満ちたカーヴァーの人格と人生。カーヴァーの作品群を深く理解する上で欠かすことのできない一冊となっていました。

2013/10/12

ミヤ

一人の作家の人生が書かれた一冊。もちろん人一人の人生が詰まっているので膨大な量になり、読むのに相応な時間を要した。月並みな表現だがカーヴァーの人生がいかに艱難辛苦に満ちていたかがよくわかる。陥穽にはまるようにアルコールに耽溺し、自分や他人に対して粗暴に振る舞う。それでも以前より抱いていた素朴でやさしい人間という人物像は揺るがなかった。きっちりとは生きられない人だったのだろう。それでも作家としての活動は常にカーヴァーの根幹にあり、物事に依存しがちなカーヴァーの最も依存したものが物語であると言い切れる。

2024/09/02

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