瓜子姫の艶文
瓜子姫の艶文 / 感想・レビュー
tama
図書館本 これはなかなかよくできたミステリーです。細かくちびちびと足場を作って広げてゆく関係上、半ば辺りまで瓜子姫が見えてこないのですが、そこをこらえつつ進んでいくと終盤、それまで無造作に置かれていた踏み石があちこちと滑らかにつながりだし、あっという間に遊女の話が謎解きに。おかげ参り、抜け参りも置き駒でした。
2014/07/12
なにょう
面白かった。女の一代記であり、ミステリ要素もある。なんと言ってもうちの近所の話でもある。お伊勢参り、遊女もの、少し手を出してみたけど、これが一番よく書けている気がする。★お伊勢参りに押しかける方は気晴らしできる。接待する方はたまったものじゃない。遊女にも賞味期限がある。上手いこと旦那を見つければいいけど。将来は明るいばかりじゃない。上手いことやったつもりの主人公。最後の最後に落とし穴。この続きは……
2020/07/19
やちゃ
板東さん初読です。遊女からの恋文を見つけた、女将の“りく”… 出だしがこれだから、てっきり、男女の三角関係の話と思い込まされました。板東先生、最後はそこに繋がるんですね~
2014/12/03
ケイプ
木綿問屋の主人亥右衛門を挟んで、正妻のりくと遊女伽羅丸との女の意地の戦い。りくと伽羅丸が交互に今を語りながらも、その構成に途中でやっぱり!と。おかげ参りの掛け声や瓜子姫のお話から少しずつ記憶を取り戻す伽羅丸、そのひも解きが良かった。
2014/08/07
よっちゃん
氏は今年1月他界されました。合掌。瓜子姫と抜け参り。伝説と伝習。この日本的妖しげの雰囲気が全編に漂い、ストーリーを盛り立てています。初期の作品同様、坂東眞砂子の真骨頂がここにあらわれています。ホラー小説と勘違いさせるお膳だてですが隠された過去が徐々にあきらかにされていくクライムサスペンスです。登場する女たちだが、実を言えば古臭いタイプの女なのだ。著者には因果応報の世界観があるようだ。、そこで渦巻く女の嫉妬、野心、肉欲、怒りがもたらす結果を日本的な「女の業」「女の宿命(さだめ)」として帰着させている。
2014/07/07
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