莫言神髄
莫言神髄 / 感想・レビュー
エドバーグ
莫言さんは、中国の農村の過酷な実態を 魂の叫びにように小説にしたんですね。翻訳者の吉田さんが交友録としてその生涯を紹介しています。昔 ソルジョニーツィンの人生を知ったときと同じ感動を覚えました。吉田さんの人柄が行間ににじみ出ています。入門書としてお勧めです。
2023/09/18
編集長
莫言(ばくげん、モオイェン)の著書と勘違いして図書館で借りたが、莫言自身のものは講演録を収めた後半で(ノーベル賞受賞スピーチを含む)、前半は莫言の訳者である吉田富夫氏による莫言の世界の紹介。貧しい出自の莫言にとって、自由を感じられる唯一の方法は物語だった。才能に恵まれた息子の語りに束の間の慰撫を感じながらも、文化大革命前後の中国の状況のなかで、その才能が家族に災厄をもたすことを危惧した母親は「黙っていることはできないのかい」と戒めた。ペンネーム「言う莫れ」(言うなかれ)の所以である。味わい深い本でした。
2014/04/05
笠井康平
3人の日本人作家が言及されていて、それぞれのされ方から中国の純文学界で日本がどう読まれているかの一端がみえる。
2013/09/25
抹茶モナカ
前半に翻訳者吉田富夫さんの莫言論、後半にノーベル文学賞受賞講演を含む講演収録。そんなに難しい本でもない。これから莫言さんを読もうと思って、入門書のつもりで読みました。ヘルタ•ミュラーに何と言われても、村上春樹さんを押し退けて、受賞されたと言われている訳ですから。ねえ。
2013/10/31
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