島津の空 帰る雁
島津の空 帰る雁 / 感想・レビュー
なゆ
戦国時代における薩摩藩島津四兄弟の団結力が光る短編集。時系列がバラバラで、全部読んでいろいろと辻褄が合う感じ。これまで細切れに知ってたことが、いろいろ繋がってよかった。四兄弟(義久、義弘、歳久、家久)だけでなく、その子供らの視点や境遇の話も。亀寿(義久の娘)の話は哀しすぎるし、御下(義弘の娘)もそう。でもこの時代、ましてや盤石の島津家に生まれた女子として、どんな運命も受け入れようという覚悟が伺える。逆に忠恒(義弘の息子)は、ある意味器がちっちぇ~と思わざるを得ない。戦国の世でも心温まる兄弟愛にホッとする。
2016/04/01
としえ
著者初読み。関ヶ原の戦いで退却時に敵中突破した島津義弘を中心に、その兄・義久とふたりの弟・歳久と家久、子供の忠恒、御下と姪の亀寿ら、島津家の人たちを描いた短編五話。忠恒はひねくれすぎてて、もっと素直になればいいのに…という感じだったが、ほかの人はみんな好きだ。義弘の武勇伝も大好きだが、薩摩を一枚岩にするために毒を出さねばと、自ら犠牲になった歳久や、年が離れ母の違う弟・家久の話も良かった。短編なので物足りなさもあるが、島津四兄弟の結束の強さに、読後感はいい。
2017/01/04
二分五厘
戦国末期、島津義弘・忠恒親子を中心に島津一族の栄枯盛衰を描く。視点はコロコロ変わるし、時代も行ったり来たりを繰り返す…本当序盤は何度読むのを諦めようかと。だけど同じ出来事を様々な人物から、またリアルな戦場描写と未来からの回顧を繰り返し読むことにより、深く心に刻み付けることが出来たように思う。島津四兄弟、特に下の二人(歳久・家久)をクローズアップした本が少なく感じていたので、読みごたえがあった。こうしてみると四兄弟それぞれが希有な存在だったのだな、とつくづく思う。空を行く雁の如く、乱れず誇りを持ちて逝け。
2019/09/16
あっこ
兄弟の絆の深さに感動した。特に、いちいの実、玉のありかは涙なしでは読めなかった。
2016/01/15
金吾
島津好きにはたまらない一冊ではないかと思います。歳久、家久をメインにする話はなかなかないので興味をもって読むことができました。他の作品も読んでみようと思いました。
2019/12/30
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